注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

長寿命の家と短命な家。違いはどこにある?(2ページ目)

せっかく建てた家なのに、30年ほどで建て替えている人が結構多いのが実情です。一方で、年月を経ても美しく維持され、長く住み継がれる家もあります。その違いはどこにあるのでしょうか。今回は、長く暮らせる家にするにはどうしたらいいのか、考えてみました。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

可変性を考えたプランにする

新築時によく考えたとしても、暮らしていると間取りが生活に合わなくなってくることがあります。さらに、高齢になってわずかな段差が気になったり、手すりがほしくなることもあるでしょう。

また、システムキッチンや給湯器などの設備機器は、住宅そのものよりも耐久性が短いので、ある程度のタイミングで交換していかなければなりません。給水管のような壁の中に組み込まれている機器類も容易に交換できる仕組みがあると安心です。

こうした家族や生活の変化は意外に早く訪れるものです。近ごろは、移動できる収納家具もありますし、できるだけ壁を設けずに大きな空間をつくり出せる工法を開発している住宅メーカーもあります。逆に、簡単な工事で取り外せる間仕切り壁にすることも可能です。

こういったことは後から手を加えようとすると大掛かりになることが多いもの。将来の変化を見越して住宅の設計に組み込んでおけば、建築後に不便を感じることも少ないでしょう。

長く愛せるデザインの家にする

耐震性や耐久性の面では大きな問題もなく、小さなリフォームでまだ暮らすことができる家なのに、わが家を愛せなくなって建て替えるというケースが少なからずあります。「周囲の家が建て替えたらわが家が見劣りするようになった」とか、「外観デザインが古さを感じさせるのが気になって」という理由からです。悲しいパターンですね。

外観

年月を経てますます風合いが増す素材やデザインを選びたいものです

これは、新築時に流行のデザインを取り入れすぎたり、普遍的なデザインにするという考えがなかったために起こること。素材やデザインを決めるときに忘れてはならないのは、時間が経ったときにどうなるか、ずっと愛せるものかどうかということです。

古くても美しいと感じられる家ならば、30年、50年経ってもわが家に愛着をもって、安易に建て替えることなく、長く暮らすことができるのではないでしょうか。
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