チラシ広告の見方
お彼岸の時期になると、仏壇のチラシが新聞の折込で入っていることがあります。よく見ると、同じようなサイズで同じような材質の仏壇でも、2~3万円程度のものもあれば、50万円以上もするものもあり、素人ではなかなか区別がつきません。仏壇の価格は、素材、技法、産地の違いなどにより決まります。同じ黒檀を使用している仏壇でも、表面だけ黒檀である場合と、芯材のまわり四方をぐるりと囲むように黒檀が使われている場合とでは価格が倍以上異なることも……。金や漆を使った金仏壇だったら、黒く塗られた漆の表面をよく見てみてください。上級品は漆がぷっくりと盛り上がって、光輝く「鏡面仕上げ」になっているはずです。激安価格をうたっている仏壇は、木目調の柄をプリントした板を表面に貼っているだけだったり、中には強度不足の芯材が入っている場合もあり耐久性の面で若干不安が残ります。仏壇は「お寺のミニチュア版」であり、ご本尊や位牌をお祀りするものです。使い捨てではなく、修理しながら次世代へ受けつでいくものと考えれば、多少なりとも品質の良いものを選びたいものです。
信頼できる仏壇店を見つけるには
最近は店舗へわざわざ出向かなくても、インターネットや通信販売で簡単に仏壇を購入することができるようになりました。しかし単なる家具とは違い、仏壇は心の拠り所として各家庭の中心的存在になるわけですから、できれば面倒くさがらずに、何軒かの仏壇店へ足を運んで実物を見ておきたいものです。店に入ると仏壇店の姿勢が非常によく見えてくるはず。店舗にズラリと並んでいる仏壇がホコリまみれだったら即アウト。産地や製造工程、技法など幅広い商品知識を有しているかどうか、予算に合った仏壇をすすめてくれるか、さらに日頃のお参りの作法やお手入れ方法まで説明してくれるかなど、スタッフの対応も要チェックです。なお、大幅値引きをうたう業者はあまりおすすめできません。もともと適正価格がわかりにくい仏壇ですから、大幅値引き商品はあからじめ上乗せした金額で値付けをしている可能性が大なのです。
最近は産地偽装が問題となっています。現在、日本で販売されている仏壇は中国製を中心に海外製品が急増していますが、これらを国産と偽って販売しているケースが多々見られます。また、黒檀調仏壇、京風仏壇など、○○調、○○風などと表示して、似て非なる低品質の仏壇を低価格で販売している業者もあります。外国製といっても、最近はプロでも見分けがつかないほど加工技術が発達していますので良い商品もたくさんあります。産地や品質表示を明確にし、仏壇・仏具の価値を伝えていきたいという姿勢を感じられる業者で求めたいものです。