ETFと個別株式の比較
前回触れさせていただきましたがETF対オープン投信ではETFに軍配が上がりそうですが、個別株式とETFとの比較ではどうでしょう。それを比較する前に日経平均という指数自体の基本をおさらいしておきましょう。前回紹介したインデックス225ETFは、日経平均を構成する225の銘柄で構成されています。日経平均は60年続いている代表的な指標で、商社、銀行、鉄鋼、建設・・など日本を代表する銘柄を組み入れています。
1950年終値 1960年終値 1989年終値 2000年高値 2007年高値 2009年安値
101円 1,356円 38,915円 20,833円 18,261円 7,054円
上記表は日経平均のこの60年の推移を大まかにまとめたものです。高度成長、バブル経済などを経て1950年から1989年まで40年で実に385倍にもなりました。
日経平均は代表銘柄で構成されていますから、日本経済全体が成長している時は日経平均という指数が大きな上昇を遂げたのです。
しかしバブルがはじけた1989年以降は下落基調で、2000年の高値20,833円を最後にここ10年は上下を繰り返しています。このような状況で売り買いをしても苦労が多く報われることが少ないということがまずあげられます。日経平均指数連動型のETFで利益を上げるためには、突っ込んだところを買い、吹いたら売却するなどのいわゆる鞘とりをしなければ利益を上げることは難しいということです。時代が変わったのですから日経平均への長期投資で成果を上げることに執着してもしょうがないのかもしれません。
個別株投資で大きな夢を持とう!
しかし、日経平均は軟調な中でも株価が大きく上昇するケースは枚挙に暇がありません。下記は90年代インターネットの加速的な普及で一気に成長を遂げたヤフー(4689)と日経平均の株価推移です。銘柄名 1997/11/13 1998/3/31 1999/3/31 2000/2/22 上昇率
ヤフー 154万円 450万円 4,800万円 6億7,160万円 436倍
日経平均 15,427円 16,527円 15,836円 19,390円 1.26倍
※ヤフーは1999年3月と9月に1株を2株への株式分割を行っており、株価は調整しています。
426倍と1.26倍ですから話になりません。それだけ日経平均と比較して大きく異なる動きのする株があるということを認識していただくことが重要です。
☆この1年でも大きな変化が!
銘柄(コード) 2010年年初株価→2011年2月15日 騰落率 100万円なら
日経平均ETF(1330)10,740円→10,900円 1.49% 101.5万円
DeNA(2432) 1,866円→3,015円 1.62倍 162万円
新日鉄(5401) 378円→307円 -18.8% 81.2万円
*DeNAは分割を考慮しています。
上記表は日経平均のETFとモバゲータウンでおなじみのDeNAとのこの1年間の値動きの比較です。
ヤフーと日経平均の違いは鮮明でしたが、この1年を見てもDeNAと日経平均の値動きの比較は明確です。
出来れば日経平均という指数自体を購入するのではなく、個別株で購入することをお奨めします。ただ銘柄間格差が激しく、DeNAか新日鉄かでは大きな違いが出てきますので、個別株に投資して成功を収めるにはより専門的なアドバイスが必要となりましょう。