向かい合うバスルームと和室
1. 傾斜のついた天井と紺色のクロス壁の寝室。 2. 中庭の樹木を眺める寝室の大窓。 3. 掃き出し窓と鉄のフラットバーと丸柱でしつらえた和室の床。 4. 雪見障子を透して柔らかな光が満ちる。 5. ガラスで仕切られた洗面所とバスルーム。写真提供:高野保光 6. 中庭を挟んで向き合うバスルームと和室。写真提供:高野保光 |
バスルームの床は墨色のタイル、東面の壁は墨色のモザイク大理石張りで仕上げられ、高級ホテルを思い起こさせます。中庭を挟んで向かい合う和室は、半畳の縁無し畳の敷かれた四畳半。天井も壁も珪藻土の左官仕上げ。シンプルな仕上げの中に、スチールの細い飾り棚や壁際に埋め込まれた床照明など、高野さんの遊び心がさりげなく表現されています。和室の真上は傾斜した天井の落ち着いた雰囲気の寝室。中庭に向いた正方形の大窓から、空や庭木を眺めながら自然を感じることができるのです。ここにも草間彌生のリトグラフが飾られていました。
中庭で自然を呼び込み、吟味された材料と仕上げを駆使して造り上げたこの家は、Kさんご夫婦の暮らしを包みこむ心安らぐ「大人の住まい」と言えるでしょう。
◆建築データと建築家プロフィール