イスタンブール/イスタンブールの観光・世界遺産

アヤソフィア博物館/イスタンブール(2ページ目)

イスタンブール最大の観光名所の一つ、アヤソフィア博物館は、キリスト教とイスラム教の両文化を包含する博物館として、モザイク文化都市イスタンブールを代表する建築物です。イスタンブールに行ったら必見のアヤソフィア、ここでは分かりやすくその歴史や見どころを紹介します。

執筆者:安尾 亜紀

アヤソフィアの修復作業

アヤソフィアはその巨大な中央ドームが見どころですが、建設中からこのドームのゆがみが問題となっており、完成後も地震などで亀裂や損壊が生じたため、幾度となく補修工事が行われてきました。

アヤソフィアの足場

アヤソフィアの中央に17年間あった鉄製の足場(photo by Caner Cangul)

この補修工事はオスマントルコ帝国に入ってからも続けられ、オスマントルコ帝国の著名な建築家、ミマール・シナンもこの工事に関わっています。このため、アヤソフィアのような中央のドームを周囲の半円ドームで支える構造は、その後のシナン建築にも大きく影響したと見え、彼の代表作、スレイマニエ・モスクを始めとした多くの作品に同じ形が採用されています。また、シナンはオスマントルコ帝国の建築様式を確立した人物であるため、その後のオスマン建築の多くはこのスタイルを受け継ぐことになり、こうしてイスタンブールにはアヤソフィアの構造を基礎としたモスクが多くなっていきました。

代表的なスルタンアフメットモスクもその一つです。イスタンブールに来たら、まずこのアヤソフィアを見学し、その後色々な歴史的イスラム建造物を見ていけばこうした観点から鑑賞できて面白いかもしれません。

このアヤソフィアの修復作業は現在でも続けられており、中央部には長い間、ドームを支える鉄製の足場がありました。これはアヤソフィア内部の全景を眺めるのにとても邪魔だったのですが、2010年1月、イスタンブールが欧州文化都市に指定されたのを機に17年ぶりに足場が撤去され、今ではアヤソフィア内部の美しい全容を見ることが可能です。

 

天使セラフィム

天使セラフィムの顔が現れたことで、アヤソフィアは再び脚光を浴びているとのこと

同時に、この欧州文化都市の年に合わせて急ピッチで進められた修復作業の一環として、700年前に描かれたと推測されているフレスコ画、6本の羽をもつ天使セラフィムの顔部分が表に出て来ました。偶像崇拝禁止の影響で、以前は羽のみで中央の顔が隠されていたものが160年ぶりに日の目を見たということで、新たな見どころの一つになっています。 
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