ミッキーマウスが持つ歴史と文房具の持つ歴史の融合
「8カラークレヨン」ともに546円(税込) (C)DISNEY
凝っているという点では、「8カラークレヨン」に注目したい。8色のクレヨンが一本の軸に収まった、この製品は、それだけでも楽しいのですが、今回の製品では、その内蔵された8色を、これまでのミッキーマウス映画からインスパイアされた色から厳選した特別仕様。ヘッド部分と本体ラベル、箱などにさり気なく配された絵筆を持ったミッキーは、あまりにも当たり前に製品のデザインの中に溶け込んでいて、最初からミッキーマウス印の製品だったように見えます。
クレヨンに内蔵された8色は、ミッキーマウスの映画からインスパイアされたもの。特別仕様だから、この色の組み合わせは、このシリーズでしか購入できない (C)DISNEY
これは、今回のコラボ製品全てに言えるのですが、どの製品もミッキーマウスの存在が自然で、特にミッキーマウスの意匠に魅力を感じないガイド納富でも、これなら持っていたいと思うのです。それは、ディズニーの歴史の力を、上手く文房具という古くからある製品の魅力に取り込んでいるからなのでしょう。PENCOのデザイナー菅原さんの「懐かしいミッキーマウス」というコンセプトは、コラボレーションのためだけではなく、文房具というジャンルをデザインするにあたっての必然だったのだと、ガイド納富は思います。
「2色ボールペン」各378円 (C)DISNEY
筆記具では、さらに別デザインのミッキーが登場するシリーズも用意されています。「2色ボールペン」や「ウッディシャープペンシル」に描かれているのは、大急ぎで走っているような姿のミッキーマウスのシルエット。ビジネスや勉強用途の筆記具に合わせて、素早くペンを走らせるイメージをミッキーマウスで表現したデザインなのだそうです。PENCOならではの、アメリカの文具風英文と、シルエットで表現したキャラクターの組み合わせは、もう、最初から、そうだったように、一つのデザインとしてまとまっています。
「ウッディシャープペンシル」各399円 (C)DISNEY
「ウッディシャープペンシル」は、鉛筆を思わせる六角形の木の軸で出来た0.5mmのシャープペンシルです。小振りで使いやすい上に、デザイン的にも仕事場で十分使えるもの。また「2色ボールペン」は、昔ながらの黒・赤の二色ペンで、その懐かしい輸入文具風のベーシックなデザインは、安心して使えます。そんな文具の基本を押さえた製品に、これもまたさり気なく、懐かしさを湛えたミッキーマウスが、その本領であるスラップスティックな走りを見せてくれているわけです(ガイド納富やその上の世代にとって、ミッキーマウスは、トムとジェリーばりに走っていた記憶があります。スラップスティックコメディは、当時のアメリカのアニメーションの得意技でもあったわけですし)。
ガイド納富の「こだわりチェック」
「クリックゴールドボールペン」各294円 PENCOの定番でもあるクラシカルなボールペンは、ミッキーマウスがよく似合う (C)DISNEY
今回のディズニーとPENCOのコラボレーションによる、一連の製品は、キャラクターグッズを考えるに当たって、かなり重要な示唆をたくさん与えてくれたと思います。キャラクターへの愛はもちろん、文房具への愛も同じくらいあってこその、キャラクター付き文房具であること。そのどちらも突出しないデザインが可能であること。そして、ディズニー側も、そんなPENCOのブランドへきちんと理解を示してくれていること。そうすれば、こんなにも、広がりのある製品が生まれるということ。キャラクター文房具は、決して狭い世界で売る製品とは限らないこと。
「マルチプルマーカー」1050円 黒、赤、青、緑、茶、橙の6色がセットになっている (C)DISNEY
ここまで、しっかりとデザインされてしまうと、コレクター心もそそられてしまいます。価格もキャラクター商品だからと無闇に高い事はなく、普通の文房具価格です。「マルチプルマーカー」のように、デザインそのものはとても地味なものもラインアップに含まれていて、全部揃えてもけばけばしくなることもありません。揃えた瞬間、まるで昔から持っていたかのように見えるでしょう。でも、それぞれは、普通に使える文房具です。そういうのは、とても良いなと思います。
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