トルコでは帝王切開でもパパが立会うことができ、撮影することも可能
トルコの出産は帝王切開か無痛分娩がほとんど。日本のように痛みを感じてこそ母という美学よりも、取り除ける痛みはとことん取り除くというスタンスが基本です。
これにはママたちが痛みへの恐怖から帝王切開を希望してしまうという事情もありますが、普通分娩を希望していても医師が自分の都合に合わせて不必要に帝王切開を促すケースも。こうしてトルコの帝王切開率は全体の40%を超えており、私立病院においては60~80%という高さです。昨年は国会でもこの議論が持ち上がり、今後は帝王切開率をヨーロッパ水準の15~20%にまで下げていこう、という政府目標が掲げられています。
産後のサポートは親や親族が中心
入院期間は普通分娩で1泊、帝王切開でも2泊という短さ。トルコでは家族関係が緊密で、産後のママに対するサポートは基本的に親や親族が行うのが一般的です。このため病院が行うプレ・ママクラスや産後指導などもあまり浸透していないのが現状で、新米ママは子育てのイロハを親から伝授してもらうことがほとんど。
産後は早いうちから動き回って臓器の働きを促すのが通例で、産後の肥立ちを重視しがちな日本とは大きく異なっています。帝王切開直後でも看護婦さんにスパルタ式にあちこち歩かされるのですが、そうこうしているうちに確かに回復が早まってきます。
産後の定番「コンポスト」
産後の滋養強壮にもよく、赤ちゃん関連の儀式でも必ず出される
ナザールボンジュウは目玉の形をしているトルコ伝統の魔除けで、お祝い用贈答品には必ずついている
出産直後から飲め飲めと言われるのがコンポスト。これはモモやリンゴといった果物をシロップで煮込んだもので、産後回復、母乳促進、そしてお祝いに訪れて来てくれた人たちへのサービスなど、色々な意味合いがあるのだとか。
お祝いには生まれてすぐに駆けつけるのが基本です。日本だと産後すぐに行くのはためらわれるけれど、トルコでは生まれてすぐに行かないとむしろ失礼に。このため出産直後から病院や自宅には親族や友人などが押し寄せ、そうしたお客さんへの対応は実母や義母が担当します。出産祝いにはトルコ伝統の魔除け、「ナザールボンジュウ」がついた金細工や金貨が贈られることが多く、お返しには赤ちゃんのモチーフがついたミニチョコなどを配る習慣があります。