スペースや敷地条件、日々の使い方などによってアイテムの検討を
玄関アプローチなどのプランと同時に検討を。トータルコーディネートできるエクステリア商品もみられる。[機能柱・スクリーン・木調アタッチメント] YKK AP
一戸建ての駐車スペースのプランには、スペースだけを確保して床面はコンクリートやレンガなどを敷き詰めるプランや屋根(カーポート)を設置するケース、ガレージ(車庫)を設けたり、建物本体に組み込むプラン(ビルトインガレージ)などがあります。
いずれのプランを取り入れるとしても、出し入れしやすく安全なスペースを確保することは基本。より使い勝手を高めるために、照明や防犯などにも配慮した設備機器や建材アイテムを検討してもいいでしょう。空間のつくりや敷地条件、駐車する車の種類や使用方法、わが家の条件や希望に合わせ、優先順位を明確にして選ぶことが大切です。
カーポート商品にはさまざまなオプションが設定
エクステリアメーカーのカーポートやガレージ商品などには、便利なアイテムがオプションとして用意されているものも多くみられます。カーポート商品などを選ぶ際には、カタログやショールームなどで、どんなオプションを取り入れることができるのか、あらかじめチェックしておくといいでしょう。
カーポート・駐車スペースにあると便利なアイテム
■アイテム1 照明
周辺環境に合わせて明るさを確保したい。外まわりのエクステリア照明全体で検討を。[ダウンライト] YKK AP
夜間に車を出し入れすることが多い場合はもちろん、防犯の面からも、駐車スペースは明るくしておきたいものです。照明を設置する際には、車の出し入れや乗り降り、トランクの荷物の搬入出がしやすいような位置に設けること。門灯や玄関灯などの明るさや近隣周辺の夜間の状況なども考慮して、取り入れるようにしましょう。
カーポート商品のオプションには、柱や屋根部分にすっきりと収まるデザインのタイプもみられるので、トータルで検討を。長寿命で省エネルギー性能の高いLED照明、暗くなると自動で点灯するタイプや人が近づくと点灯するタイプなどもいいでしょう。
■アイテム2 防犯設備
カーポートの柱に設置可能なカメラ。車の様子をスマートフォンで確認可能、センサーが
検知してスマートフォンに知らせることも。[カーポートカメラセット] LIXIL
周辺環境や駐車方法などに合わせた防犯対策も必要です。侵入しにくいカーゲートやシャッターを設けてもいいですし、比較的オープンな駐車スペースの場合であれば、侵入者を知らせてくれるアイテム、防犯カメラなどを設置しても。たとえば、侵入者を感知すると光や音声で警告するもの、室内の受信機に通報するシステムなどもあるので、住まい全体の防犯プランに合わせて検討するようにしましょう。
■アイテム3 開閉システム
駐車スペースには、カーゲートを設けるケースも多くみられます。リモコンで開閉できるタイプは、出し入れの際に使い勝手もいいものです。最近では、スマートフォンを利用できる商品もみられるようになりました。
スマートフォンやリモコンでカーゲートを開閉可能。スムーズに車の出し入れをすることができる。[カーゲート用通信ユニット] LIXIL
■アイテム4 クッション材
駐車スペースにゆとりがなかったり、カーポートの柱が出入り口付近に設けられている場合、また、運転歴の浅いご家族がいる場合など、塀や柱にクッション材を設置しておくと安心です。カーポート商品のオプションには、樹脂製のタイプなどが揃っています。
■アイテム5 タイヤ止め(カーストッパー)
駐車スペースのプランニングにもよりますが、不意の事故に備えて車止めを設けておくと安心でしょう。複数台駐車する場合などは駐車位置の目印にもなります。
■アイテム6 コンセント
車内用掃除機や洗浄機、工具などを用いる場合は、駐車スペース内、もしくは近くにコンセントを設けてあると便利でしょう。エクステリアのプランニングにもよりますが、庭仕事やDIYなどの作業と兼用できる場所に設置しておくと使いやすいものです。
■アイテム7 充電設備
EVなどの電気自動車を取り入れることも検討しているのであれば、充電設備を設けることが必要になります。充電用屋外コンセントもありますし、充電専用のポールなども増えてきました。表札やポストなど門まわりの機能を備えた門柱(ファンクションユニット)に組み込んだタイプなどもみられるので、駐車スペースと門まわりのプランは同時に進めるようにしましょう。
電気自動車の充電が可能な200V用コンセントを内蔵した機能門柱。ガーデニングなどでも利用できる100V用コンセントも併設。 [エレポルト機能門柱1型 充電イメージ] YKK AP
■アイテム8 立水栓
洗車のためには、アウトドアの立水栓も近くに設けておきたいもの。コンセント同様、庭仕事や玄関掃除などの使用と兼ねる場合も多いので、それぞれの使い勝手を考えて、設置場所を決めること。ホースの収納方法も考えておきましょう。
■アイテム9 雨や雪の吹きこみを防ぎプライバシーを確保するパネル材
格子デザインのスクリーンは通風を確保しつつ、軽微な雨や雪の吹き込みを抑える。 [スクリーンパネル・軒天パネル] YKK AP
駐車スペースのプランにもよりますが、カーポートなどの場合、側面からの雨や雪の吹きこみや日差しを遮るためにパネルなどが必要になるケースもみられます。また、隣家と近い場所に配されることも多いので、プライバシーを確保するために設けても。サイドパネルやプランターを設置できるタイプなどのオプションも揃っているので、プランに合わせて取り入れてもいいでしょう。
■アイテム10 物干し
屋根のあるカーポートなどでは、洗濯物干し場として利用するケースもあるでしょう。物干し竿を掛けることができるパーツを設置しておけば、雨の日などには重宝します。
■アイテム11 収納
駐車スペース近くには、予備のタイヤや工具類の収納スペースを確保したいもの。ビルトインガレージであれば、造り付けの棚を設けておくのもいいでしょう。カーポート商品の中には、棚を設置することのできるタイプもあります。
専用の収納は無理でも、外部から使うことのできるサービスヤードを充実させて、ガーデニング用品やレジャー用品などと一緒に車用品を収納できるような空間を確保してもいいでしょう。
■アイテム12 外観デザインに適した床材
タイヤ痕がつきにくく、割れにも安心なカースペースに適したタイル。[カーフロア] LIXIL
駐車スペースは、住まいの正面にプランニングされるケースも多いため、カーポートやゲート、床材などのデザイン性も重要です。メンテナンスしやすく美しさを保ちやすいこと、厳しい自然環境に耐えうるものであること、タイヤ痕など、駐車スペースならではのダメージに強い素材であること。また、駐車スペースに車がない場合でも、住まいの外まわりのイメージを損なわないようなデザインとすることも大切です。
駐車スペースは、敷地の中でもそれなりの広さを確保する必要があるので、新築の際には、早い段階からしっかりと検討すること。現在の保有している車だけでなく、将来的な使用方法なども考慮して、配置や広さ、必要な建材や設備アイテムなど、トータルにプランニングを進めることがポイントです。エクステリア商品を選ぶ場合は、必ずショールームで実物のチェックを。素材や機能など、実際に操作するなどした上で選ぶようにしましょう。
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