国債・債券/個人向け国債の基本

金利アップ?! 個人向け国債のルール変更(2ページ目)

個人向け国債の金利や中途解約のルールについて、制度が変更される予定です。いつ、どのように変わるのか、投資家にとって良い変更なのか、それともデメリットがあるのかを解説します。


ルール変更は、投資家にとって得か損か

シミュレーションしてみよう

シミュレーションしてみよう

金利決定のルール変更は、投資家にとって得なのか、それとも損なのでしょうか。今年1月に発行される変動10年タイプの基準金利は1.19%でしたので、それを例に計算してみます(以下、税込。小数点第2位以下四捨五入)。


【従来の計算式の場合】1.19%-0.8%=0.39%
【新しい計算式の場合】1.19%×0.66=0.79%

このように、現状では金利がおよそ倍になるので、投資家にはメリットがあるといえます。


基準金利2.37%で逆転する

しかし、景気がよくなって世の中の金利が高くなっていくと、事情は変わります。いろいろな数字で計算してみます(以下、いずれも税込み。小数点第2位以下四捨五入)。

■基準金利2.00%の場合 …… 従来=1.20%、新=1.32%
■基準金利2.36%の場合 …… 従来=1.56%、新=1.56% 
■基準金利2.37%の場合 …… 従来=1.57%、新=1.56% 逆転する
■基準金利3.00%の場合 …… 従来=2.20%、新=1.98%
基準金利2.37%以上になると、従来制度のほうが高金利になる

基準金利2.37%以上になると、従来制度のほうが高金利になる

上図より、基準金利が低いうちは、従来の計算式よりも新しい計算式のほうが個人向け国債の金利は高くなることが分かります。また基準金利2.34%~2.36%の時、両者は同じになり、基準金利が2.37%以上になると従来の計算式のほうが有利になります(注意:どちらかの制度を選択するということはできません)。

購入してすぐに基準金利2.37%以上になったら、「従来の制度のほうがよかったなぁ」と思うかもしれませんが、また金利が下がる可能性もあるし、どちらの制度がよかったというのは結果次第ですね。

ただ、世の中の金利に合わせて個人向け国債の金利も変動するという特徴は無くなりませんので、「金利上昇局面で有利な商品」であることに変わりはありません。

次のページでは、もう一つの変更点を紹介します。

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