鉄道/季節別のおすすめ鉄道旅行

国登録有形文化財となった天竜浜名湖鉄道(2ページ目)

天竜浜名湖鉄道は、2010年12月に全線が国の登録有形文化財となったノスタルジックあふれるローカル鉄道である。東海道本線が有事の際に分断された場合のバイパス線として建設されたという歴史的経緯を持つが、同じ浜名湖でも東海道新幹線から眺めるのとは違ったのどかさが感じられる。湖岸を走り、森を抜け、天竜川を越え変化に富んだ車窓が展開する沿線。駅舎を利用した食事処を巡る楽しみもある魅力あふれる路線である。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

湖岸の楽しみ~ユリカモメと温泉

ゆりかもめ

浜名湖佐久米駅ホームに舞うゆりかもめ

浜名湖佐久米は、湖岸にある小さく静かな駅である。冬場はユリカモメが飛来し、駅長さんが餌付けをする時間帯には群れが大挙押し寄せる。天浜線の風物詩ともなっている。

浜名湖

館山寺温泉付近の浜名湖

江戸時代の姫街道ゆかりの気賀(きが)あたりから天浜線は浜名湖とは別れを告げる。気賀からクルマで20分ほど南下すれば、館山寺温泉もある。浜松からのアクセスが普通だが、天浜線のほうが近いので時には試してみたい。

 

ノスタルジックで変化に富んだ車窓

金指駅

ノスタルジックなホームの金指駅

奥山線の遺構

半世紀前に廃止となった奥山線の遺構をくぐる

半世紀ほど前に廃止となった遠州鉄道奥山線の遺構となったガード跡をくぐると金指に着く。この駅のホームも古びた屋根があり有形文化財のひとつだ。

列車は森の中を走り、有形文化財のひとつである都田川橋梁を渡ってフルーツパーク駅を過ぎる。湖岸あり、山間部あり、田園地帯ありと天浜線は予想以上に変化に富んだ車窓が楽しめる。

西鹿島では、赤い電車が走る遠州鉄道と合流する。浜松への乗換駅で、遠州鉄道と組み合わせて、浜松周辺の多様な鉄道旅行がプラニングできそうだ。

次は、天竜二俣駅での文化財を紹介します。
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