カリウムは非常に希少な資源
一方、150カ国の消費地に対してカリウムが採れる国は12カ国しかありません。中でもサスカチュワン州は最大の地であり、豪BHP社が4兆円近い敵対的買収金額をポタッシュ社に対して今年提示したのは記憶に新しいところです。この買収オファーは結局カナダ政府によって自国の利益にならないと却下されております。ウランやレアメタルもそうですが、まさに寡占産業であり、価格操作の疑いも時に起こる産業です。前回肥料価格が爆発的に急騰した2008年半ばでは、リン酸価格がトン当たり400ドルだったのが1年で1100ドルを超え、カリ肥料もトン当たり275ドル前後だったのが1年で900ドル台に達しています。そして金融危機後に穀物価格が金属や石油、または株価と一緒に暴落し、そのような農産物価格では高い肥料を使うことができなくなった農家は購入を控えました。これによって肥料価格も、そして大手メーカーの売上、株価も半分以下に揃って急落しました。そして、2010年夏ごろからあらゆる農産物価格が記録的な上昇となり、肥料価格とともにメーカーの売上、利益もいつか見たような様子で急上昇しています。ポタッシュ社の一株利益(EPS)も今年1-3月期から上昇しはじめ、第2四半期には150%増益、今年最終10-12月期も今のところ101%増益が予想されています。
同社はこのように重要な戦略資源を抑えている企業であり、今後商品価格の高騰が続くとすると、一層注目を受ける可能性が高まると考えられます。