日本の復活は株価にもはっきり現れた
さて、こうした動きは株価にもはっきりと反映されます。下表は2003年からの具体例です。
銘柄 03年安値 04年末 05年末 06年4月 騰落率
みずほFG 58円 516円 936円 1,000円 17.2倍
住友不動産 347円 1,336円 2,565円 3,130円 9.0倍
NTTドコモ 201,000円 189,000円 180,000円 176,000円 -12.4%
資金需要が大きく拡大したみずほFGと土地の再開発が加速した住友不動産は、業績が回復するに連れて株価が上昇していきそれぞれ17.2倍、9.0倍に上昇しました。一方、国内の携帯電話市場におけるシェアが頭打ちとなったNTTドコモの株価は軟調な展開が続きました。この株価格差は最初の1ヶ月よりも3ヶ月、6ヶ月、1年と年月が経つごとに拡がっていきます。
当時の日本と同じ状況が今、世界中で起こっている
大規模プロジェクトによる経済活性化が株価上昇につながった日本の例を検証しましたが、2011年に注目すべきは世界中で2003年当時の日本と同様の条件が整ってきたということです。ワールドカップ・オリンピックが開催されるブラジル、新幹線のような高速鉄道が縦横無尽に張り巡らされる中国、開発が進むアフリカ、世界的な鉱山開発、メガソーラー、スマートグリッド・・・とまさに世界中でものすごい規模のプロジェクトが起きているのです。そしてこれらプロジェクトを実行するために、世界的金融機関が低金利で融資を実行。お金のある先進国からプロジェクトが活発化している新興国に資金が流れる仕組みができあがっているのです。
次回「2011年は世界的に株価上昇か?」ではこれから起きると思われる大きなうねりについて検証したいと思います。