皮膚・爪・髪の病気/ホクロ

ホクロの症状

ホクロは良性の皮膚腫瘍。徐々に大きくなりますが、通常は医学的な治療の対象にはなりにくい場合がほとんど。時として皮膚悪性腫瘍が疑われることもあり、その場合は鑑別のために治療を行います。

井上 義治

執筆者:井上 義治

形成外科医 / 皮膚・爪・髪の病気ガイド

ホクロはありふれた皮膚疾患で、病気ではないと考えてもよいくらいです。しかし、ホクロとよく似た皮膚悪性腫瘍、シミ、脂漏性角化症などの可能性もあり、場合によってはしっかり鑑別していく必要があります。
ホクロ

顔面のホクロ 隆起した色素斑となっている


ホクロの色……濃い黒色・肌色 

ホクロは基本的にかなり濃い黒色。シミは茶色なので、色で見分けることが可能です。ただし肌色のホクロもあるので、色だけで診断しないようにしましょう。
 

ほくろ

色調が肌色のホクロ

 

ホクロの発生時期

ホクロは生まれつきのものが多いですが、生まれたとき目立たない形だったホクロが徐々に大きくなり、大人になってから気づくこともあります。生まれつきなかったからといって、ホクロではないとは断定してはいけません。

ホクロの形態 

ホクロは、平坦なものと、球状で皮膚の表面では隆起した半球形に見えるものがあります。丸い形でないこともありますが、ホクロの輪郭がぎざぎざした形をしている場合、ホクロ以外の疾患を考えることも大切。念のため、脂漏性角化症、皮膚悪性腫瘍ではないことを検査するようにしましょう。

ホクロの経過 

一般的に良性疾患なので、急激に増大することはありませんが、徐々に大きくなります。急激に大きくなっていくホクロの場合、皮膚悪性腫瘍を疑います。

ホクロの注意・癌化するホクロ 

ホクロの細胞が癌化することがあります。通常の皮膚悪性腫瘍でも診断が遅れることが多くなり、注意が必要です。
基底細胞癌

ホクロに発生した皮膚癌(基底細胞癌)

さらに皮膚悪性腫瘍の一つである悪性黒色腫がホクロの中に発生すると、どちらも色が黒いため、悪性黒色腫の早期発見が大変難しくなります。実際の診療の場でも、かなり進行してしまってから病院を受診される方が多いです。

ほとんどのホクロはまったく害のないものなので、必要以上に不安を感じる意味はありません。ただ、上記のような病気の可能性があることを知っておくことは大切。普段からホクロの大きさ、形は、それとなく注意して観察するようにし、もし形の急激な変化や、不自然な出血などが見られた場合は、すぐに皮膚科を受診するようにしましょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます