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新設定のRX270はハリアーがライバル!?(2ページ目)

レクサスRXに2.7Lガソリンを搭載したRX270が加わった。415万円~という価格設定に注目が集まるが、RXの上位シリーズとは違った、いい意味でのカジュアルな雰囲気と走りが魅力だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド


動きも軽い

シート

インテリアではマルチメディアの表示画面の見直し、USBへの対応や12V電源のコンソール外への設置が主なニュース。Art Worksではシートやドアトリムに多彩な色を施して変化を与えるなど、レクサスの世界観に新しい価値を持ち込んでいる

新しい2.7Lの直4エンジンは、V6のような滑らかさはないが、実用エンジン+アルファの余裕がある。音質面はL4らしい軽さがあるが、ノイジーではない。

また、ノーズの動きが想像以上に軽く、RX450hよりも280kg、RX350よりも130kgも車重は軽い。実際にシーンを問わず、軽快なフットワークを披露してくれる。足まわりは少し硬めなので、路面が悪かったり、コーナーが続くようなシーンでは、乗員の頭が揺すられるような乗り心地に終始してしまう。RX450hやRX350よりもカジュアルで軽い走り味には好感が持てるが、前後輪ともに左右輪の動きがばたつくようなRXシリーズの悪癖は改善されていない。ただし、あまり足を柔らかくするとロールの大きさと重心高の高さを意識させられるようになるから、さじ加減はなかなか難しいようだ。だが、新しいカイエンという手本もあるからぜひステップアップを果たして欲しいところだ。

カジュアルな雰囲気と変化をもたらすアートワークス

リヤビュー

RX270とRX350との間に大きな差別点はないが、安全装備でVDIMがS-VSCになるのとレーダークルーズやプリクラッシュの設定がない

レクサスのGS、IS、そしてRXに、「Art Works」というデザイン仕様を現在用意している。「Stone Designs」というスペインに拠点を置くデザイナー2人とのコラボモデルだ。最初から著名なデザイナーやブランドと手を組むのではなく、新進気鋭のデザイナーと組むことで、レクサスの新しい世界観を提案する試み。従来は「和のおもてなし」を現代流に解釈して世界に提案してきたが、新しいチャレンジをすることで新しいお客さんを獲得し、ブランドのイメージを膨らませ、豊かにするのも狙いであるはずだ。

RXのArt Worksは「RX in SUNLIGHT」というネーミングで、専用のグリル、アルミホイール、スモークメッキヘッドランプエクステンションなどが装備される。また、ボディサイドにはさり気なくサイドストライプテープも貼られている。内装ではカームレッドかカームベージュなどのシート色、ドアトリムを設定し、インテリアに上質感とさり気ない色気を与えているのが印象的だ。

新たな競争を引き起こせるか?

スカイラインクロスオーバー

RX270最大のライバルは、価格的、サイズ的にはニッサン・ムラーノだろう。個人的にはサイズは少し小さくなるものの、ラグジュアリーな雰囲気という意味と走りとインテリアの完成度の高さからスカイラインクロスオーバーも選択肢に入れたいところ

さて、RX270の登場で大型SUVの勢力図は塗り替えられるだろうか。RXシリーズで見れば、「一番高いモデル持ってきて」というありがたいお客様が多いらしく、RX450hのしかも半数がエアサス仕様を選ぶという。RX270が415万~473万円という価格帯を設定したことで、RXシリーズの中でガソリン仕様の割合が高まるのは間違いない。

また、他ブランドとの競合にも注目だ。200万円台後半から400万円台前半のニッサン・ムラーノはガチンコだろうが、同じくニッサンのスカイラインクロスオーバーも気になる。サイズこそやや小さめだが、滑らかな乗り心地と走りの質感の高さ、室内のクオリティの高さから、後者がこのクラスのベストSUVだと思っているからRX270との比較をして欲しい。

この2台を選ぶとサイズではRX270だが、走りとインテリアの出来はスカイラインクロスオーバーの方が上だと思う。輸入勢とは価格が離れているが、サイズや車格を無視すればBMW X3やランドローバーのフリーランダー2なども考慮に入れたい。輸入車の場合、どのモデルもそのブランドらしい「濃さ」を備えているが、レクサスやニッサン勢にはまだそのブランドならではの強力なオーラまでは感じられないのはやや残念だ。
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