資産運用/資産運用をするときの鉄則

「株価の上がる銘柄教えます」は信用できる?

投資の世界で、短期的な値動きを予測する人たちがいます。彼らは本当に未来の変化を知っているのでしょうか?それとも、知っているように見せかけているのでしょうか?投資アドバイザーたちに無駄なお金を払わないように彼らの儲けの手口を開示します。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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株に投資をするときにどんな銘柄が上がるか?それが分かっていたら苦労は要りません。そんな期待に付けこんで、儲かる銘柄を教えようとする職業があります。投資アドバイザー、アナリスト、株式評論家などプロと呼ばれる人たちです。

しかし、そんなうまいことがありうるでしょうか?

投資預言は本物なのか?

儲かる情報は信用できる?

儲かる情報は信用できる?

上がる株を人に教えたら買う人が増えた分だけ教えた人の利益は薄まります。ですから、本当に知っていたら、自分は人に教えません。儲けが減るからです。
でも、そんなサービスを有料で行う人が居続けるのは、情報提供それ自体がもうかる仕事だからです。

プロと言われるゆえんは、アドバイスでお金を稼ぐという意味でのプロなので、プロが投資そのもので成功しているとは限りません。

投資指南をなりわいとする人たちによく知られた小話があります。

投資預言で信者を作る方法

目の前にアドバイスを受けたい1,000人の見込み客リストがあったとします。その人たちの半分ずつに違う助言をします。

例えば500人にA株が上がると予言します。同時に、残る500人にはA株は下がると伝えます。この結果、間違いなくどちらかの500人は恩恵を受け、もう一方の
500人は損をこうむります。プロは、次に当たった方の500人をさらに半分に分けます。250人にB株は上がると予言し、残る250人にはB株は下がると伝えます。
そして、また250人が裏切られて、250人が残ります。プロはまた125人にある予言をして、残る125人にそれとは反対のことを伝えます。

これを繰り返していって勝ち残った15人の人はそのプロを神のごとき投資の天才と思い込むでしょう。こうしてカリスマ投資家はでっちあげられ、カモになる不運な投資家を生みだすのです。

未来を知っている人はいない

当たりもしない預言で素人の投資家がだまされることは、実は身の回りにいっぱいあります。この手口は銘柄当てに限りません。今後の株価はどうなる?為替はどうなる?という疑問に専門家たちはしたり顔で分かったようなことを言って(書いて)いますが、そんなことは深い確信などなく言っているのです。彼らが知っていると誤解してはいけません。彼らの力を借りれば簡単に儲けられると期待してはいけません。

ニュースでも株価が上がった理由、下がった理由を報道しています。しかし、それが真実なのかはだれも確かめないし、間違ったことをあとで謝罪する人もいません。結局は、すべては憶測であり、上がる理由、下がる理由はすべて後付けなんです。

でも、そんなウソのような情報が売れるのは、大衆が「本当に知っている人がいる」と妄想しているからです。銘柄当て、為替の行方は神のみぞ知る世界だと達観することが賢明でしょう。

王道の資産運用とは

では、投資なんかしない方がいいのか?と思われるかもしれませんが、間違いのない法則というのは確かにあります。

それは、物価と株価は常に右肩上がりだという事実です(残念ながら、この20年間の日本の株式市場を除いての歴史的真実です)。

ならば、どの株が上がる、いつから上がるなんて細かいことは考えないで、10年後を見すえて世界中の株式市場に使い道のないお金を投入していけばいいのです。

穏やかな人生のための世界分散投資には、カリスマも預言者も必要ありません。
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