永代供養墓とは
最近の永代供養墓はデザインもさまざま。【光り墓】
お墓を継ぐ人がいなくても、寺院や墓地管理者が永代にわたって供養・管理をするお墓のスタイルを、「永代供養墓(※永代管理墓)」といいます。「田中家」「山本家」など家単位で守っていくお墓は、継ぐ人がいないと建てることができません。永代供養墓は、承継者不要で購入できることから、独身の人、子供のいない夫婦などに人気ですが、承継者がいても「子供や孫に迷惑をかけたくない」と自ら永代供養墓を考える人も増えています。
※供養という祭祀儀礼が伴わない場合、「永代管理墓」と称するケースが多い。
永代供養墓のシンボルは大きな石塔であったり仏像であったり、最近ではお洒落なオブジェもありと、型に決まりはありません。墓石の代わりに樹木を植える樹木葬も、永代供養墓として運営されているところが多いようです。
はじめから合同で埋葬されるものと(「合葬墓」「合葬式墓地」などと言われている)、一定期間(三十三回忌、五十回忌など)までは個人の墓や家の墓に個別に埋葬され、後に他の遺骨と一緒に合葬される場合があります。
基本的には最初の契約時に支払いを完了していれば、管理費など必要がなく(契約期間分の管理費を一括で支払うケースもあり)、だいたい1人50万円~150万円くらいが相場です。
永代供養墓が注目されるようになった理由
日本の場合、お墓は「家の墓」として親から子、子から孫へと承継されていくものでした。つまり、お墓とは「承継者(後継者)ありき」が大前提。しかし核家族化、少子高齢化などを背景に「墓守をする人が途絶えてしまう」と承継者不在の悩みを抱える人が増加したため、80年代後半あたりから永代供養墓が注目されるようになったのです。2010年10月1日に発表された日本消費者協会の「葬儀についてのアンケート調査」では、永代供養墓を考えている人が9.7%、合葬墓に予約したいと考えている人が1.7%で、実に1割以上の人が承継者不要の墓地を視野に入れていると報告されています。
永代供養墓の選び方
永代供養墓を選ぶポイントは、宗旨・宗派、交通の便や使い勝手、管理方法などを確認し、寺院や運営母体の考え方までも把握しておくとよいでしょう。線香の燃えカスやゴミが散らばっているようなところはアウト。綺麗に整理されていて、花が途切れることのない永代供養墓ならお参りされる側もする側も気持ちのよいものです。「何度も足を運びたくなってしまうような雰囲気」というような漠然とした直感も、案外決め手になるかもしれません。