今なおプリウスの一人勝ち
ジュネーブモーターショーで発表されたプリウスの高級バージョンである『レクサスCT200h』のプロトタイプに試乗できたので紹介しよう。御存知の通り、今のところハイブリッド車はプリウスの一人勝ち状態が続いている。なぜだろうか? 軽自動車まで含め、最も燃費良いからに他ならない。
私のプリウスの直近5000kmの平均燃費をチェックしてみたら、22.6km/Lに達していた。気温40度近い暑い日に東京の渋滞を走った距離が3分の1くらいを占めているので、流れの良い郊外路なら25km/Lに迫ると思う。前述の通り軽自動車でもこんな良い燃費は出せないだろう。
しかし同じハイブリッドでもホンダ・インサイトになると15km/L前後。おそらくフィットのハイブリッドだって16km/L前後かと。トヨタSAIやレクサスHS250hなども13km/L前後といったイメージ。プリウスだけ突出して燃費良い。日本のユーザーは慧眼。だからプリウスなのだ。
もしプリウスに匹敵する燃費のハイブリッド車を作れば、きっと売れると思う。そこでトヨタはレクサス向けにプリウスと同じサイズのハイブリッド車をラインナップしようと考えた。されどプリウスをそのまま売ったら、レクサスの「要求レベル」に届かない。乗り心地が厳しいからだ。
動きの渋い足回りに、当たりの硬いエコタイヤを履いているため、道路の凸凹を全て拾ってしまう。道路の継ぎ目を通過したときの「ドシン」という振動なんか酷いモノ。輸入車や、プリウスより乗り心地の良いクルマから乗り換えたような人からすれば、辛抱の日々を送らなければならない。