白熱電球から蛍光灯、そしてLEDへと、照明器具のランプが急速に変化していく現代でも、あくまで「人にとって心地よい照明の質」を追求し、守り続けているルイスポールセン社。
最終回となる今回は、そんなルイスポールセンが取り組んでいる、最新の照明器具についてご紹介しましょう!

第1回「人にとって快適な照明とは?~ルイスポールセン」
第2回「機能的で美しい照明器具の鉄則~ルイスポールセン」

ルイスポールセンが初めて作った「LED専用器具」

FP550

LED専用の「F+P550」。伝統を継承しつつ生まれた最新の照明器具
画像提供:ルイスポールセン


1920年代に開発された名作「PHランプ」以降、照明器具による「明かりの質」に頑ななまでにこだわり続けてきたルイスポールセン社。一度発売した器具は、その後ずっと販売し続けるだけあって、逆に最近のLED化の時代の波には、乗り遅れてしまっている印象もありました。
そんななかで、ルイスポールセンが満を持して開発したのが「F+P550」。白熱電球とは光りかたの特性が全く違うLEDを使った照明器具でありながら、その細部にわたるデザインや光の質まで、すべてに渡って1920年代からのロングセラー「PHランプ」の精神が息づいており、それでいて同時に、新しい時代の照明器具にふさわしい先進性も兼ね備えています。それでは早速、どのような照明か見ていきましょう。

計算し尽くされたディテール

デザイナー

Foster + Partnersの担当者 John Small氏
画像提供:ルイスポールセン

「F+P550」は、直径550mmの薄いリングが空中に浮かんだような、これまでの照明器具にない形をしたペンダントライト。デザインを行ったのは、イギリスの建築家ノーマン・フォスターが率いるFoster + Partnersです。その最大の特長は「PHランプ」と同様、光源の眩しさ(グレア)が直接見えず、柔らかな明るさだけをテーブル面に落とすシェードのデザインにあります。

 


F550

LEDの特性を生かした先進的なペンダントライト
画像提供:ルイスポールセン

蛍光ランプや白熱電球と異なり、単体のLEDは光を一定の方向にしか放ちません。つまり、単に明るさを得るだけならともかく、壁や天井にも光を当て、人が生活する場所にふさわしい空間の広がりを得るためには、単にこれまでの器具の光源をLEDに置き換えるだけでは、不十分なのです。「F+P550」は、こうしたLEDの特性を踏まえて、「LED時代の照明器具はどのように設計されるべきか」を考えてデザインされた、おそらく世界で最も先進的なペンダントライトです。

LED

柔らかな明るさだけをテーブルに落とすシェードのデザイン


LED照明の光源となる発光ダイオードは、その一粒一粒がとても小さいのが特長です。「F+P550」は、LEDの特性を生かして、全部で30灯のLEDをリング内に分散させ、その光を一度、二度とリフレクターに反射させて、テーブル面に光を広げます。これだけでなく、一番上にかぶせられたガラスシェードは、一部から光が漏れるように作られていて、シェードの先端がリング状に光り、また、天井面にも柔らかく光を広げるようにデザインされています。リングの中心部に備え付けられた、細かなリブ状の形をした金属部品は、LED回路からの熱を逃がすための放熱用ダイキャスト・アルミリングです。

このように「F+P550」は1920年代オリジナルの「PHランプ」と同様、計算し尽くされた光の制御を行っていて、かつ、ミニマムなデザインでありながら全てのパーツに無駄がなく、意味を持たせています。単に機能的なだけでなく、室内にふわりと浮かぶ姿が優美であることも「PHランプ」と共通の特長だといえるでしょう。光源がLEDになっても、「ルイスポールセンはルイスポールセンである」ことを、強く印象づけてくれる照明器具です。

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