NYダウと日経平均は連動性が高い
では、NYダウの9月以降のチャートを見てみましょう。
9月に、株価がわずかでも上昇した日は14日。NYダウは日経平均株価よりもさらに強い上昇基調にあることがわかります。
そして、NYダウが上昇して取引が終了した翌日の日経平均株価をみてみると、上昇した日は7日、小動きだった日を含めると9日にものぼります。つまり、日経平均株価が上昇した10日のうち、NYダウの動きに連動して上昇した日は7日。約7割の確率でNYダウに連動して上昇していることがわかります。
9月はたまたま上昇基調での連動性になりました。一方、下落基調の場合はというと、世界同時株安という言葉があることを考えてみても、上昇基調と同様に連動性が高いと言えるでしょう。
以下は、NYダウと日経平均株価の比較チャートです(青色がNYダウ、赤色が日経平均株価)。水準の差はありますが、チャートを見る限り、ほぼ同じような値動きをしていることが一目瞭然ですよね。
Yahoo!ファイナンスチャートより。拡大画像あり
NYダウが日経平均株価に影響を及ぼす理由
なぜNYダウの動きは、日経平均株価の動向に影響を及ぼすのでしょうか。
それは、市場が開かれる時間に関係があるでしょう。
米国の株式市場は、日本時間の真夜中に取引が行われています。米国ではサマータイムが導入されていますので時期によって取引が行われる時間は異なりますが、日本時間の22時30分以降から6時までが取引時間の目安になります。
日本経済は為替動向はもちろん、米国をはじめとした世界経済の動向の影響を大きく受けます。そのため、様々な経済指標等の発表を受けて取引されたNYダウの動向に、日経平均株価は影響を受けてしまうのです。米国が世界経済の行方を担っているといっても大袈裟ではありませんから、当然のことと言えるかもしれません。
もちろん、日経平均株価がNYダウといつも同じように動くわけではありません。しかし、翌日の株価動向がまったく予測できないよりも、なんとなくでも予測ができれば取引する心構えも違うというもの。
投資戦略を立てる際には、早朝もしくは寄付前に、NYダウの株価動向を参考にしてみるとよいかもしれませんね。