高遠ブックフェスティバル
友人の北尾トロが信州高遠で本の町をつくろうと活動を始めて、数年が経過する。毎年、高遠へ行こうと思いながら、なかなか果たせなかった。昨年は「高遠ブックフェスティバル」の第1回が開かれたのだが、2日間だけであり、機会を逃した。第2回の今年は9月18日(土曜日)~9月23日(木曜日)まで6日間行われるととのこと。今年はぜひ行ってみようと計画を立てた。北尾トロに電話して、1泊2日くらいで考えているんだけど、どの日がいいか聞いてみる。勤め人ではないので、平日でも大丈夫だ。「だったら、敬老の日の20日と平日の21日がいいんじゃない」と言う。さらに初めてくるなら電車よりもバスがいいとのこと。新宿からバスが出ていて、朝の7時に出発する高速バスに乗ればお昼前には着くという。宿は高遠にある竹松旅館を推薦してくれた。
言われるがままに予約を入れて、いざ出発。
趣きのある古い街並み
敬老の日、早起きして新宿スバルビルへ向かう。ここから高速バスが高遠に向けて出る。大人一人3000円。途中、高速道路のサービスエリアなどで休憩しながら、10時過ぎに高遠文化センターの駐車場に到着。北尾トロに電話すると、「そっちからくると商店街のいちばん端に<本の家>っていうのがあってそこにいるから」と言う。
先ほど、バスで通ってきたので商店街はわかっていた。しかし、商店街といっても5、600mのちょっとした通りだ。赤い提灯がいくつもつけられ、かつてのスーパー跡に古本屋さんが店を出していたり、ごく普通の商店や民家の前にも本棚が出て、古本が売られている。まさにお祭り気分いっぱいだ!
「本の家」に到着
ちょうど高遠駅というJRバスの駅の向かい側に「本の家」があった。それにしてもものすごい人だ。店の中から北尾トロがニコニコしながら「やぁやぁ、いらっしゃい」と出てきた。
一瞬顔を見せた北尾トロだが、地元のテレビ局だのどこかの記者など、ひっきりなしに取材されている。なかなか忙しそうだ。「本の家」の入り口のところに「乙幡啓子作品展」とあった。なるほど、入り口のところにあれこれ並んでいるのが、それか。ボンヤリ眺めていると、いっしょに来た妻が「これ、有名ですよ。<デイリーポータルZ>というサイトで人気なんですよ」と教えてくれた。なになに、思わず身を乗り出した。
次ページではこれらの乙幡さんの作品や
街角のアートなどを紹介しましょう。