雑貨/ハンドクラフト・工芸

隠れ家風・手作りバッグの店(2ページ目)

六本木に近いわりに、程よく庶民的な空気が残っていて居心地良い町、麻布十番。にぎやかな商店街を外れて、住宅街をずんずん進んだところに、ひっそりと手作りバッグのお店がありました。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド




sucreオーナーでバッグデザイナーの、杉浦今日子さんにお話を伺いました。


Q1.ご自身のことを簡単に自己紹介してください。

手仕事のちまちました感じが好きで刺繍にはまり、刺繍を毎日やり続け、 今に至ります。

Q2.もともとはドレスのデザインをやっていたそうですが・・・。 バッグデザインをやろうと思ったきっかけ、 お店を始めようと思ったきっかけなどありますか?

はじめに刺繍教室に通っていた頃、作るものが額やテーブルセンター、の れんなどで、洋服が作れたらもっとデザインの幅が広がるだろうと思い、 洋裁の専門学校に行きました。そのあと、オーダーでドレスの制作をして いたのですが、もっと数多くの刺繍を手掛けたいと思い、小物(バッグ) の制作を始めました。フランスの生地屋さんで、日本にはない織り柄のゴ ブラン織りに出会ったことも、バッグを作り始めるきっかけとなり ました。お店を最初に始めようと思ったのは、フランスのオート・リーブ という町(村?)に行ったとき。これは、それはそれは長い話しになって しまうので・・・


このバッグ、裏地も黄色とグリーンのストライプでかわいい。


Q3.ご自分で好きなデザインはどんなもの?

綺麗なもの。かわいいもの。不思議なもの。

Q4.自分がバッグを見たり買ったりするときに、チェックするのはどんなこと?

見るときはデザインと縫製を見ます。 買うときはデザインと素材重視です。

Q5.作っていて楽しいのはどんなとき?逆につらいとき、大変なときはありますか?

基本的にはいつも楽しいです。 でもよく刺さる皮用の針で、指先を刺しちゃったときには、泣きたくなったりも しました。皮用の針と日本刺繍の針は、本当に“よく刺さる”ので、ちょ っと刺しただけで驚くほど痛いのです。

Q6. 作るときに気をつけているところは?

芯の入れ方。一点物なので、ひとつひとつ生地に合わせて芯を選んでい ます。


とりどりにバッグが並ぶ棚


Q7.布をパリまで買い付けに行ったりしているそうですが、 そのときのエピソードなどありますか?

日本では生地屋さんに行くと裁断台があって、欲しい生地をそこまで運 んで切ってもらうのですが、パリの生地屋さんには裁断台というものが なくて、「これが欲しい」と言うとその場で他の布の上に広げて切って くれます。ものすごく山積みの生地屋さんで、しかも店員のおじさんが 偏屈だったりすると「あっち持て」だの「ここ押さえてろ」だの、色々 言われて大変です。言葉も分からないし・・・
あと、漢字を織り柄にしたカーテン用生地などを最近よく見かけるのですが、 まあ、『雨』や『朝日』ならわからないことはないにしても、『熊』と いう字が一面に織られていたときには、さすがにこれはどうかと思いま した。

Q8.刺繍学校を見学されてショックを受けたそうですが、 そのときのことについて教えてください。

刺繍学校というよりは、その学校を経営しているオートクチュールの刺繍の 工房にショックを受けました。圧倒されたというか。 オートクチュールはフランス人が誇りを持って創りあげているものなのだと しみじみ感じました。

Q9.その他パリでの楽しい思い出や笑い話など。

パリに行くと必ず巡るのが、生地屋さんとパン屋さんとお菓子屋さん。 朝、その日に行く生地屋さんの近くにあるお菓子屋さんをチェックして 出かけます。最近のおすすめは“クリスチャン・コンスタン”。上品な 香りのチョコレートです。店員の男の子が、これまた上品で妖精のよう に素敵です。詳しくは、ホームページのパリのエッセイに書いてあるの で、そちらもぜひ・・・


アクセサリーなども扱っています


Q10.今後はどんなものを作っていきたいですか?

その時の気分次第なのですが、日本刺繍を取り入れたものをいつか作りたいと 思っています。

Q11.最後にメッセージをどうぞ。

シュクレのショールームは、いわゆるショップの雰囲気とは違い、自然にシュクレの 世界に融け込んでもらえる空間です。アメリや、1950年代のジバンシーを着たオー ドリー・ヘップバーン、パリの風景画、フレンチ・ポップスとともにお待ちしていま す。


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