肩こり/肩こりの原因・しくみ・肩こりに潜む病気

怪我の完治後が肝心!その首の痛み・肩こりは後遺症?

過去の怪我や事故が原因で、後々に首の痛みや肩こりが起こりやすい状態になることがあります。あなたは大丈夫ですか?

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

今まで、首の痛みや肩こりの症状が無かったのに、最近になって痛みやコリが気になり始めた、ということはありませんか? 過去の怪我が原因で、後々に首の痛みや肩こりになりやすい状態に……。あなたは大丈夫でしょうか?

忘れた頃にやってくる首の痛みと肩こり

怪我をして以来、デスクワークで肩がこるようになったという例も

怪我をして以来、デスクワークで肩がこるようになったという例も

首の痛みは、寝違えのような、目覚めたら突然頭が動かせなくなってしまうようなものや、振り向きざまにギクっと首に痛みが走った、というものなど、急に痛み出すものがあります。そうではなく、なんとなく首に違和感がある程度だったものが、じわじわと痛む範囲が広がってきたり、気になり度合い増したりするものもあります。

肩こりは、ある時から肩がこるようになってしまった、という場合や、最初は休息をとれば肩こりは軽減されていたけど、今はパソコンに向かうとすぐに肩こりが強まってしまう、といったことがよくがあります。

首の痛みも肩こりも、きっかけとなる心当たりを考えてみると…
  • 「毎日のように使っているパソコンのせい?」
  • 「枕が自分に合っていないのかも?」
  • 「ストレスがたまってイライラしているからかなぁ」
など、日々の生活の中に原因を見出しがちです。実際に、こうした日常生活の何かが、引き金にはなりやすいのですが、中にはそれ以前に、怪我や事故などの外傷がモトになり、生活習慣の影響を受け首の痛み・肩こりを起しやすくなっている場合もあります。


怪我は治っても、その後カラダに悪影響が!?

つらいかもしれませんが、リハビリはしっかりと続けましょう

つらいかもしれませんが、リハビリはしっかりと続けましょう

過去の怪我や事故などの外傷が原因で、首の痛みや肩こりを起こしやすくなる場合に考えられることには、次のものが挙げられます。

  • リハビリがしっかり出できなかった
  • 怪我や事故の後、体に無理をかけてしまった
  • 怪我や事故に対する恐怖心や体調への不安感が、頭のどこかに残っている
  • 病院へは行かず、自己流で治るように努力した。または放置した。

「軽症だから自然と治るだろう」「私は、痛みに強いからこのままで大丈夫!」「通院の時間が無い」という理由で放置する人は、意外と多いです。そして、これら以外でも首の痛み・肩こりに繋がる恐れのあることが。

 

じわじわと体の歪みが生じる!?

1箇所痛めただけでも、全身に影響を及ぼす可能性があります

1箇所痛めただけでも、全身に影響を及ぼす可能性があります

ここで例をひとつ。空手の練習中に足首をひねり、靭帯を痛めてしまったとします。しばらくは練習を休み、病院に通いながら処置を受けます。リハビリも続け、医師から「もう大丈夫ですよ」と言われ、待ちに待った練習復帰。ここで、注意しなくてはならないことがあります。

足首を痛めた場合でも、ヒザを痛めた場合でも考えられることなのですが、体のどこかを痛めた場合、回復までの期間は、痛めた部位の働きをカバーするように全身で反応します。その結果、補正するよう体の重心線がズレていったり、姿勢を支える筋肉が部分的に硬くなり、体に見かけ上の歪みを生じさせたりする可能性が出てくることがあります。

そうなると結果的に、足首やヒザを痛めて以来、なぜかデスクワークが続くと肩こりがひどく感じるようになった、ということが起こりえます。首の痛みや肩こりというと、どうしても気になるその部位だけを意識しがちですが、頸椎や頭を支える筋肉・組織、肩甲骨の動きに関わる部位が、悪影響を受けるモトの怪我があるかもしれないのです。
 

怪我の後、関節の動きが悪くなったままに

強打した付近の関節は、動きが悪くなるかもしれません

強打した付近の関節は、動きが悪くなるかもしれません

首の痛みや肩こり、四十肩・五十肩を招く直接的な原因には、交通事故などによる鞭打ちや、直接、頭部・肩周辺を強打したりと、外力が加わった場合もあります。

強打したり、肩の関節、頸椎やその周囲の組織を痛めた後に、それぞれの関節の動く範囲が狭くなったままになることがあります。痛めた部分自体は完治していても、関節の動く範囲が制限されていると、関節の機能が低下していき、肩こりを起こす筋肉への血行も悪くなり、そして首の痛み・肩こり・四十肩・五十肩の起こりやすい状態へ変化していくと考えられます。
 

事故・怪我の恐怖心が原因の場合も

怪我・事故の経験が心理的に影響を与えることも

怪我・事故の経験が心理的に影響を与えることも

また、事故など強烈な出来事を経験した人や、怪我によってツライ思いをした人の中には、恐怖心や不安感が、首の痛みや肩こりに絡んでいるケースもあります。恐怖心や不安感によって、肩こりを起こす筋肉に過度な緊張状態が続くといったことは少なくはありません。

心理的な問題は、なかなか簡単に解消することが難しい場合もありますので、そういった場合は、痛みを取り除き、過剰な緊張を和らげるようなお薬やカウンセリングで、効果を上げることが可能なケースもありますので、心療内科で相談されるという方法もあります。

 

怪我や事故の後に注意するポイントは?

怪我や事故で痛めた部分は、その損傷自体が治ってしまえば安心ではありますが、注意すべきポイントは、お医者さんから「完治しました」とOKをもらえた後にあります。

■痛めた部分の皮膚につっぱり感はありませんか?
例えば、手術を受けた場合、傷痕周辺の皮膚が引きつれたり、その影響で筋肉に部分的な張りが生じている可能性があります。皮膚が柔らかくなるように、お手入れが可能であれば行い、また、その付近の筋肉が硬くならないように血流を回復させるケアをしましょう。

■痛めた付近の関節は動きますか?
例えば、手首を骨折してしまった後だった場合、痛めた手首と痛めていない側の手首の動きを確認してみましょう。机に手をついてみたり、手首をぐるぐる回してみたり、いろいろな方向へ動かしてみます。

そして、指を握って、開いて……。指の動きはスムーズでしょうか? 問題があれば、腕のセルフマッサージで効果がでることもありますが、動かした時に痛みが出たり、動きの硬さが改善されなければ、鍼灸やカイロプラクティックなどの施術院へ相談されても良いかと思います。

■怪我の部位に負担がかかることを恐れていませんか?
怪我をしたり痛めてしまった部位は、季節の変わり目や天気によってシクシクと痛みが出たり、動かすにしても不安定に感じることがあったりすると、積極的には動かそうとはせず、なるべく負担をかけないように意識が働くと思います。

ですが、中には多少の負荷をかけて筋力UPをしたり、動かして血流を促すと良い方向へ向かい、多少の動作に対しても自信が持てるようになるケースもあります。自己判断は難しいかもしれませんので、信頼のできるトレーナーさんやリハビリの先生に相談してみるという方法もあります。

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