魅力増すマイホーム購入の外的要因
2010年の基準地価が発表されました。全国で地価の下落は続いていますが、その下げ幅が3大都市圏では縮小しました。首都圏ではマンション販売が好調で、マンション価格も上昇しつつあるのです。
そんな近況に加え、政策も住宅取得の後押しをしています。住宅資金向け贈与の非課税幅の拡大、住宅ローン金利「フラット35S」の金利優遇幅の拡大、そして住宅ローン控除の3つです。
つまり、住宅価格には底打ち感が出てきており、ローン金利も空前の安さ、税制優遇のメリットも大きいということから、「今が買い時」とささやかれています。
中国をはじめとする海外投資家たちも、都内一等地の優良物件の物色に動いているそうです。不動産価格が下がったことにより、日本での不動産投資の利回りが、相対的に上昇しているからです。海外投資家の行動もマイホーム価格に影響を与えています。
マイホーム購入でもっと大事なこと
外部環境がこのように改善していることから、しばらく買い控えをしていた人たちが、不動産市場に熱い視線を注いでいます。しかし、マイホーム購入に関しては、外部環境がすべてではありません。むしろ、買い手側の内部環境もけっこう大事です。収益だけを目的とする不動産投資や営利的な物件購入とは異なり、家族が安らぎくつろぐ場を手に入れるマイホーム購入では、住む人の事情やタイミングこそ重要視されるべきです。
マイホーム購入に軽視できない内的要因として、以下のような事情も大事です。
- 自己資金が貯まった
- 家計外から資金援助が得られる
- 子どもの教育環境に満足できている
- 通勤、通学の便が改善される
- 家族の皆にとって相応しいタイミングにある
一度購入したら、おいそれと簡単に買い換えのできない高額な不動産ですから、内的な条件をよく吟味しながら、購入をご検討ください。
資産運用としてのマイホーム購入
いくら安く買えるからといって、家族にとってふさわしくないタイミングで新居を買うことは資産運用の面で、大きなリスクです。なぜなら、拙速な購入は買い直し、買い換えにつながることにより、資産の目減りを誘うからです。家族にとって本当の買いどきは、人生にそう何回も訪れるものではありません。地価動向や金利水準といった外的要因を縦糸とするならば、家族のライフプランは内的要因という横糸です。縦横2本の糸が交差する快適な時点が本当の買いどきです。安くなったから買う、高くなる前に買う、という損得の気持だけで物件をあさってはいけません。
無理のないタイミングで買うことが安く買うことよりも結果的に安く付く、なんてことが起こるのがマイホーム購入の世界です。