高騰の原因は経済的な不安
なぜ金価格が上昇を続けているのでしょうか? 1つには、世界経済を不安感が覆う中、「不変の価値」を持つ金が安全資産と見られているためです。現金を持っていても、インフレが起こって価値が下がることがあります。株式などは常に変動していますし、会社倒産などの危険もあります。
それに比べて金は太古より「価値ある金属」として世界に存在しており、その価値はちょっとやそっとではなくなりません。そのため、今のような将来が不透明な時代には、安全資産としての金の人気が高まり、投資をする人の数が増えるのです。
金融の世界では、「金と米ドルは反対に動く」とよく言われます。これは米ドル高になれば金の価格が下がり、米ドル安になれば金価格が上がるという意味です。その理由としては、世界の基軸通貨である米ドルの信用度が下がった場合は、金の信用度が上がり、価格が上がると言われるためです。もちろん、どんな時でも絶対にこの法則があてはまるわけではありません。
21世紀に入って、米ドルは全体的に価値が下がっています。現在では、円ドルレートが1ドル=約85円まで下がっています。そのために、金の価格が上昇していると考えられます。