アパ・マンの地震保険は5000万まで?


たとえば以下のようなケースでは、いくらまで補償されるでしょうか。

【物件概要】
●4階建てRCマンション
●施工費約2億円
●25戸のワンルーム

実は、試しにこの点を保険代理店、保険会社に確認したところ、面白い事態になりました。なんと見解が見事にバラバラなのです。早速代理店の反応をお伝えします。

【代理店A社】
「地震保険の場合、建物の補償限度額は1棟あたり5000万までと言う規定があります」
「ですから、今回も地震保険でカバーされるのは5000万までですね」

このロジックを当てはめると、たとえ10億円を超える建物であっても、たったの5000万しか補償の対象にならないことになります。

有事の際は、多少の補填になりますが、「地震リスクの回避」という点では、役不足の感が否めません。試しに他の代理店に聞いて見ました。

【代理店B社】
「自宅ではなく、ビジネス向けのものには地震保険は対象になりませんよ」
「まあ、ちょっと調べてみますけど、この場合は保険の対象にならないはずです」

これまた驚いた回答です。そんなはずは無いだろうと思いつつも、不安になったので知り合いの保険代理店に相談してみました。そうすると、以下のような回答がありました。

【代理店C社】
「賃貸住宅の場合は、補償上限は、1棟5000万ではなく、1戸5000万です。ですから、25戸であれば、5000万×25戸が上限となります」

「もちろん、火災保険に付保する特約保険ですから、火災保険の限度額の範囲内になります。仮に火災保険の補償額2億円なら、その50%である1億円が上限となります」

さて、いずれもプロの保険代理店なのですが、三者三様の答えが返ってきました。かえって混乱しそうですね。果たして真相はどうなのか。元締めの大手損保会社に確認しました。

【某大手保険会社】
「賃貸住宅のオーナー様がご契約する場合、保険の対象は1棟としてみるのではなく、1戸あたりで計算します。」

念のため、保険約定約款を取り寄せて確認しました。この取り扱いに関する根拠規定(約款)は以下のとおりです。

「当会社は、第2項第1号の建物のうち被保険者の世帯と異なる世帯が居住する他の建物があるとき、または同号の建物が2以上の世帯の居住する共同住宅であるときは、居住世帯を異にする当該建物または戸室ごとに前2項の規定をそれぞれ適用します。」

ポイントは、「同号の建物が2以上の世帯の居住する共同住宅であるときは、居住世帯を異にする当該建物または戸室ごとに前2項の規定をそれぞれ適用します」という部分。

つまり、戸室ごとに保険額を算出していくのです。したがって、前述のケースで見た場合、仮に火災保険の補償対象額を2億円で設定した場合、最大50%までが補償範囲となりますので、1億円までを補償することが出来るのです。前述の代理店C社が正解です。

このように、アパ・マンの新築については、約款に別の取り決めがあるため1棟単位ではなく、1戸単位で補償限度額が決まること、そして建物価額の50%までが上限額になることを覚えておいてくださいね。

今回はアパ・マンの地震保険限度額についてお伝えしましたが、今後、大規な地震が無いとも限りません。今回お伝えしたことを踏まえて、賢く地震リスクを回避してくださいね。
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