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住宅金融支援機構 新制度が導入されました(2ページ目)

住宅金融支援機構の賃貸住宅融資で、「繰上返済制限制度」が導入されました。事業企画にも重要な影響がありますので、今回はこの新制度について、詳しく解説したいと思います。

浦田 健

執筆者:浦田 健

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「繰上返済制限制度」の概要


それでは、繰上返済制限制度の概要をお伝えします。これから機構融資の申し込みを考えている人に把握していただきたいのは、次の5点です。

●制限期間
繰上返済が制限されるのは、金銭消費貸借抵当権設定契約を締結した日から起算して10年間です。
(注)制限期間経過後に繰上返済する場合は、繰上返済違約金は不要です。

●繰上返済違約金
繰上返済元金の5%に相当する金額となります。
住宅金融支援機構のHPで試算が掲載されております。参考までにご覧ください。

1億円の借入を5年経過後に全額繰上返済した場合、450万円強の違約金が発生するそうです。

●支払時期
繰上返済と同時に繰上返済違約金を支払うことになります。

●繰上返済手数料
融資金の一部を繰上返済する場合は、現行制度と同様に繰上返済手数料(5,250円(割賦金変更の場合)又は3,150円(返済期間短縮の場合))を繰上返済時に支払います。

●融資金利の目安
たとえば、平成20年の11月参考金利をベースとすると、

 繰上返済制限制度 (適用あり)(適用なし)
 35年固定      3.27%   3.44%
 15年固定      2.95%   3.10%

あくまでも目安ですが、繰上返済制限制度の適用がない場合と比べて、0.15~0.17%の金利優遇が受けられます。仮に1億円の借入だとすると、0.15%でも年間で15万円ほどの違いが出てきます。簡単な部屋のリフォームならできてしまう金額ですので、決してあなどれない違いです。

事業計画を精査し長期的な計画を立てましょう。


以上、ざっと「繰上返済制限制度」の概要をお伝えしましたが、「現行制度」と「繰上返済制限制度」のどちらを利用すべきかについては、借主側の事業計画、返済計画によって、判断が変わってくると思います。

ちなみに前述の機構融資担当に聞いてみたところ、平成20年11月と12月の申込割合では、7~8割の案件が「繰上返済制限制度」を利用しているそうです。

やはり、申込者にとっては、当面の金利の低さが受けたようです。とは言うものの、どちらを選択すればよいかは、個別具体的な事業計画によります。

「繰上返済制限制度」は、繰上返済は当面考えない方で、できる限り金利を低く借りたい、という方のニーズに合致してきます。一方、「繰上返済の制限がない現行制度」は、早期に繰上返済を進めたいという方にはメリットが大きくなります。

今一度、あなたの事業計画を見直した上でどちらを選択すべきかを判断し、計画的に融資を受けるようにしてくださいね。
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