企画型住宅は「住まい手」を選ぶ
もちろん、企画型住宅にも問題点があります。それは、簡単にいうと「住まい手を選ぶ」ということです。まず、敷地対応力があまりありませんから建てられる場所が限定されます。ある程度の広さとかたちが整った敷地がある郊外エリア向けといえます。一般的な企画型住宅は、土地に制約が少ない郊外に向いている |
都市型住宅の場合ですと、敷地の条件に建物のかたちが大きく左右されるものです。周囲を住宅に囲まれている狭い敷地では、通風や採光も含めて十分に考慮しなければなりませんから、企画型住宅はあまりお勧めできません。
こうしたエリアにおいては、自由設計でカスタマイズされた建物の方が、より快適な暮らしを実現しやすいでしょう。高度な設計提案が求められる3階建てなどはとくにそうです。ともかく、企画型住宅がどこにでも建てられる建物ではないことを是非、知っておいてください。
大手ハウスメーカーの得意分野
企画型住宅は、大手のハウスメーカーの代名詞のようなもので最も得意な分野といえます。一概にはいえませんが、それは元々、大手がニュータウン開発など郊外タイプの住まいづくりを契機として成長してきたからです。積水化学工業(セキスイハイム)の企画型住宅『クレスカーサ』。創業当時の商品をモチーフにして開発された |
このほかにも、各ハウスメーカーが近年、企画型商品を充実させています。その理由は20歳代後半から40歳代後半くらいまでの、土地と建物をセットで購入しようとする消費者ニーズに対応するためです。
ハウスメーカーの建物は一般的に高額と思われがちですが、コストパフォーマンスが高く、本体価格が1千万円台中盤から後半くらいで設定されている商品もあります。それでもまずまずの価格ですが。「そこそこの金額で、品質や性能の高い安心感のある住宅が欲しい」という方は、一度検討されてみてはいかがでしょうか。
次のページはこの記事のまとめ。どうして企画型住宅のイメージが悪くなったかを考えることで、良い住まいづくりのあり方について考えてみたいと思います。