木がいいの?、鉄がいいの?
工法のお話をすると、「そもそも木がいいの?鉄がいいの?」なんていう質問が出てきそうです。私の見解は「どちらもいいんです」というものです。一見、優柔不断な答えと思われるかもしれませんが、そうしかしいいようがない、というのがホンネです。住宅の工法に関する展示物。木はおろか、鉄についても様々な工法があることがわかる |
これはなぜだと思いますか。答えは、私たち日本人の中にある住まいに関するDNA「木造信仰」があるからです。「木へのあこがれ」といってもいいのでしょうか。そういった木造への根強いニーズを受けて、各ハウスメーカーは私たち消費者の選択肢を増やすために、「第二の工法」を用意している場合もあるのです。
第二の商品をもつハウスメーカーも
こうしたハウスメーカーは当然ながら鉄骨系の商品に強いこだわりをもっていますが、第二の工法である木質系商品に対しても同様の熱意を持っています。こうした事例からもわかるように、木とか鉄とかというのは私たちの好み次第という側面もないわけではないのです。日本人の木に対する信仰は強い。そのため、鉄骨系ハウスメーカーでも木造商品を販売しているケースがある。写真は積水ハウス関東工場の「シャーウッド」生産ライン |
私たち消費者が重視すべきは、「提案」内容なのだと思います。例えば、既に土地をお持ちの方なら、それぞれの工法のハウスメーカーにプランを提出してもらい、その土地に適したものなのかを判断するということが、大切になるでしょうね。
大切なのは「提案」を見極めること
大和ハウス工業の西新宿住宅展示場のモデルハウス。建物は鉄骨増だが木質感のある空間提案を行っている |
住まいづくりで大切なことは、ハウスメーカーが皆さんに提示する提案の善し悪しを見極めることです。最初に書きましたように工法や構造に関しては住宅業界全体である一定レベルに収れんされてきました。
ですから、それはそれとしてしっかり勉強され、次のステップ、どの提案内容が皆さんの新しい住まいに適しているのかに、より判断の時間を費やすべきだと私は思います。