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お薬の基礎知識part7 薬と食べ合わせの関係

「薬によっては食べ物に気をつけなくてはならないって本当?」本当です。今回は、食べ物と薬の飲み合わせについて詳細にご紹介します。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

薬と食べ物を一緒に摂るときの注意点は?

食べ物
薬は飲んで胃に入りますので、食べ物の影響を受けることがあります
Q:持病で心臓が悪いのですが、先日ワーファリンという薬を処方されました。そのとき、薬剤師さんから「この薬を飲むときには、納豆を食べることは避けてくださいね」と言われました。納豆をそれほど食べる習慣はありませんが、なぜ納豆のような食べ物と気をつけなくてはいけないのでしょうか?食べ合わせとかあるのでしょうか?

A:お答えしますね。まず、飲み薬は飲むことで食べ物同様に胃に入りますので、食べ物の影響を受けることがあります。食べ物が胃に入っていると、薬の吸収される速度などに影響があります。

しかし、今回の質問は「ワーファリンという薬を飲んでいる場合に納豆を食べないように…」という内容ですが、このケースは吸収の速度とはちょっと違います。

少し専門的になりますが、ワーファリンという薬は、血液が固まるのを抑える薬です。実は血液が固まるときには、ビタミンKが関わってきます。しかし、納豆菌はそれ自体で腸内にビタミンKを作り出す働きをしてしまうのです。そのため、せっかくワーファリンの作用で血液が固まるのを抑えても、納豆菌が作り出すビタミンKでその効果を弱めてしまうのです。

納豆菌以外にも、クロレラ(青汁など)には、ビタミンKが大量に含まれていますので、ワーファリンを服用しているときには、摂取するのを避けてくださいね。

薬の相互作用とは

一度に数種類の薬を服用したり、同時に摂る食事や飲み物の影響によって、その薬だけ単独で飲んだ場合と比較して効果が弱まったり、逆に強くなったりすることがあります。これを「相互作用」と言います。一緒に服用する薬の組み合わせは無数にありますので、実は未知の相互作用が多いのが現状です。

薬と食べ物の関係


  • 野菜・果物、ジュース類

  • グレープフルーツジュースと一部の高血圧薬や一部の抗生物質は、グレープフルーツの成分で分解されたり、吸収されにくくなるなどの影響があります。

    その他に、バナナやパイナップルは抗結核薬に影響を与えることがあります。また、今回の上記の事例、血液を固まりにくくする薬であるワーファリンは、納豆やビタミンKが含まれる玉ねぎ・ブロッコリー・ほうれん草を少し多めに一緒に摂ると、ワーファリンの効果を弱めてしまうことがあります。しかし、これらの野菜に火を通した場合は、薬に影響はありません。

  • 高たんぱく質の食事(肉などの多い食事)

  • 食事に含まれるたんぱく質(アミノ酸)が、薬の吸収に影響を与えることがあります。一部の高血圧や痛風の薬と肉などを一緒にすると、吸収が高まり、薬の効果が強く出てしまいます。反対に、パーキンソン病や一部の抗生物質は、吸収が抑制されてしまいます。

  • 脂肪の多い食事(てんぷら、とんかつ、豚の角煮など)

  • 薬によっては、水に溶けやすい、油に溶けやすいなどの特性があります。脂肪の多い食事のときに水に溶けやすい薬を飲むと、脂肪分が多いため溶けにくくなり、その結果吸収されにくくなります。逆に油に溶けやすい薬は、吸収されすぎてしまいます。

    一部の抗生物質や喘息の薬が脂肪の多い食事での影響を受けますが、皆さんに一番身近なのはビタミンAやD。この二つは油に溶けやすいので、脂肪の多い食事で吸収が促進されます。

  • 魚類

  • イソニアジドという結核の薬を飲んでいるときに、一部の魚で影響を受けることがあります。例えば、赤身の魚・マグロ・いわし・カツオ・カジキ・サンマ等は、ヒスタミンやそれに関係する物質が含まれています。

    イソニアジドは、ヒスタミンの代謝(肝臓で変化を受けて体外に出て行くこと)を阻害しますので、体内でヒスタミンが増えてしまう場合があります。その場合、顔が赤くなったり、頭痛や発熱、気持ち悪くなったりする症状がでることがあります。

  • アルコール類

  • アルコールによって、薬の作用が強く現れる薬(うつ病の薬、血圧の薬など)、アルコールの作用を強めてしまう薬(うつ病の薬など)があります。また、一般的にアルコールは薬の代謝に関係する肝臓にも悪影響を与えてしまいます。

  • タバコ

  • タバコの煙に含まれる様々な成分、薬の効果を弱めたり、代謝を早めてしまうことがあります。また、タバコに含まれるニコチンが胃酸の分泌を活発にするため、特に胃薬は充分な効果が得られない場合があります。

  • カフェイン飲料(お茶・紅茶・コーヒーなど)

  • お茶は、貧血の薬(鉄分が入っている薬)と一緒に飲むと、お茶に含まれるタンニンの影響で薬が吸収されにくくなることがあります。また、カフェインの影響は血液が固まるのを防ぐ薬(ワルファリン)や、痛風の薬・一部の喘息の薬などの効果を弱めることがあります。

    また、逆に一部の抗生物質や一部の胃薬では、カフェインの効果を高めてしまうことがあります。

以上、ここで取り上げたものは、飲み合わせに注意する代表的な事例です。他にも、細かい相互作用がありますので、未然に防ぐために一緒に飲んでいる薬(サプリメントも含みます)や特に偏って摂っている食べ物などがあれば、医師や薬剤師に相談してください。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の薬局での会話をもとに構成したものです。相談が必要な方は、医師や薬剤師に実際にお聞きください。
【関連記事】

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注意したい薬の飲み合わせ

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【参考リンク先】

広島大学医学部総合薬学科分析化学教室>薬と食べ物の"飲み合せ"

葵会グループ>薬と高齢者>内服薬(食べ物と薬)

お薬の注意事項【他の薬との相互作用】>appal
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