フローリングに求められる性能は「素材」だけではない
無垢材に生じやすい反りやねじれを抑えたのが、合板(集成材)フローリング材です。(画像提供:大建工業株式会社) |
薄い板を何枚も重ねて作られる合板(集成材)フローリング材は、無垢材に比べて反りやねじれが少なく、均一の品質で仕上がりやすいことから、一般的なフローリング工事で多く使われています。
また合板(集成材)フローリングの表面部分を、本物の木材で仕上げることで無垢材の風合いに近づけていたり、樹脂コーティングなどをすることで、傷やへこみに強く、美しさが長持ちする加工がなされているものもあります。
商品の特性を理解しないとトラブルの原因に
無垢材、合板(集成材)のそれぞれの良さ、特徴をよく理解して選ぶようにしましょう。(画像提供:パナソニック電工株式会社) |
そんな無垢フローリングを美しく長持ちさせるためには、傷がついた箇所の表面を削って元のような床に戻したり、定期的なワックス掛けやメンテナンスで、反りやねじれ、すき間といった床トラブルをできるだけ防いであげる必要があります。また、ワックスを掛ける場合でも、無垢材の呼吸を妨げないような天然原料ワックスなどを使用することが望ましいとされています。
住まいのメンテナンスに手間を掛けたくない方にとって、無垢材を使用したリフォームは向いているとは言えません。むしろ合板(集成材)で、しかも耐久性、耐傷性などに優れたハイグレードのフローリング材を採用することの方が、品質面でも価格面でも重要であると言えます。
床材サンプルを実際に触って傷をつけてみる!
サンプル床材に傷をつけてみると、表面の強度や耐久性などが一目瞭然。床材のグレードを実感することができます。(画像提供:大建工業株式会社) |
無垢材については最近輸入品も多く出回ってくるようになり、価格の安いものも手に入るようになってきましたが、実際の質感や手触り、傷のつきにくさなどはカタログではわかりにくいものです。そこでリフォーム業者にサンプルをもらい、実際に「見る」「触る」はもちろん、「傷をつけて」床材を確認しておくと、リフォームプランを検討する上で非常に役立ちます。
「無垢材」は一般ユーザーが思っているほど「高級品」ではなくなってきました。しかし、無垢材が住まい手にもたらしてくれる健康的な環境と、住まい手が無垢材に対して、「メンテナンス」という思いやりを与えるという相互関係は、あたかも人間と自然が共存するといった醍醐味にも通じる贅沢感があります。
無垢材、合板(集成材)のそれぞれの特性を理解して、自分がどこまで床に手間を掛けられるのかを考え、予算とあわせてリフォームの計画を立てていただきたいと思います。
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