おむつの種類・選び方のポイント……状況に合わせて適切なタイプを
自力で排泄のコントロールが難しくなった場合は、大人用おむつの利用を検討しましょう
大人用おむつの主な種類は次の通りです。
■ パッドタイプ
下着またはパンツタイプ、テープタイプと一緒に使います。交換がラクで経済的なのが特長。下着が少し濡れる程度の軽失禁に対応した小型なものから、夜間など尿量の多いとき用の大きなものまで、さまざまな種類があります。介助がなくても自力で歩行できる方にオススメです。
■ パンツタイプ
下着のように履くタイプで、利用する方の心理的な抵抗感が比較的小さいのが特長。下着感覚の薄型タイプから、しっかり吸収する厚型タイプまで、尿量に合わせてさまざまな種類があります。テープタイプに比べると蒸れにくく、介助があれば歩ける方、介助があれば立ったり座ったりすることができる方にオススメ。
■ テープタイプ
後ろから前にテープで固定するタイプで、交換しやすいので介護者の負担が少ないのが特徴。寝ている状態でもモレにくく、おむつカバーが不要。介助があれば立ったり座ったりすることができる方、介助があれば体を起こせる方、寝たきりの方などにオススメです。
■ フラットタイプ
おむつカバーまたはテープタイプとと一緒に使う平面的なタイプ。モレ防止機能がないので単独では使用できません。交換がラクで経済的なのが特長で寝たきりの方などにオススメです。
なるべくおむつに頼らない生活を
大人用おむつは非常に便利ですが、早い段階から頼ってしまうと排泄コントロールの力が衰えてしまいます。また、大人用おむつをすることに恥ずかしさや情けなさを感じるお年寄りも少なくありません。仮にトイレまで歩いて行くのが難しいとしても、ポータブルトイレなどを利用して少しでも普通の感覚で排泄できるように工夫することをオススメします。
大人用おむつを利用する場合も、最初のうちは夜間や外出時の利用に留めて日中や自宅ではおむつを外すようにするなど、生活のなかでメリハリのある使い方を考えましょう。
おむつ代は介護保険対象外だが「医療費控除」の対象
大人用おむつは、介護保険の対象とはなっていませんが、次のすべての条件に該当する場合は、医療費控除の対象となります。確定申告をしない限り控除を受けることはできないため、該当する方は必ず申告を行いましょう。
- 本人または同じ生計で暮らしている家族が税金を納めている。
- 医師が日常生活を送る上で紙おむつが必要と認めている。
- おおむね6カ月以上にわたって寝たきり状態となっている。
- 医療費が年間合計10万円、もしくは年間所得金額の5%を超えている。
おむつ代の医療費控除の申請の流れは、次の通りです。
- 病院・医療機関で「おむつ使用証明書」を発行してもらう。「おむつ使用証明書」の発行日以降のおむつ購入代金が控除の対象になるため、できるだけ早めに発行してもらいましょう。
- 「おむつ使用証明書」をもらった日から、おむつを買ったときの領収書を保存しておく。領収書には紙おむつを使っている人の名前と、紙おむつ代であることがわかるように商品名などを明記してもらいましょう。
- 確定申告の際、「おむつ使用証明書」と領収書を税務署に提出して申請を行う。
※おむつ代について医療費控除を受けるのが2回目以降の場合は、「おむつ使用証明書」の代わりに市区町村が発行する「おむつ代の医療費控除にかかる確認証明書」や「主治医意見書の写し」でも申請ができます。
詳しくはかかりつけの病院や、お住まいの地域の税務署・区市町村にお問い合わせください。
大人用おむつを支給してくれる市区町村も
市区町村によっては、一定の条件を満たしたお年寄りに対して大人用おむつを支給してくれる場合があります。お住まいの地域でそのようなサービスが行われているかどうかは、市区町村の高齢福祉課などにお問い合わせください。