ポリオの治療
しばらくは安静が必要。熱が下がってからリハビリを行っていきます
ポリオの原因であるポリオウイルスに対する特効薬は残念ながらありません。つまり、ポリオウイルスを抑えたり無毒化する薬はないので、予防が大切なのです。
吐いたり頭痛のような髄膜炎の症状に対しては点滴などの対症療法で症状を抑えます。
呼吸する筋肉への運動神経が麻痺する球麻痺は、呼吸ができない呼吸不全に対しては、人工呼吸器による補助を行います。
麻痺の症状については、しばらくは安静とし、状態が落ち着いたら、徐々に理学療法を行います。麻痺した足などは使わないと筋肉が細くなったり硬くなったりしますので、筋肉が硬くならないようにマッサージをします。麻痺の部分では体を支える事ができませんので、装具をつけて歩行練習を行います。
ポリオの予防
清潔にすることが大切。口から感染するので、食事前の手洗いも有効です。
一番の予防は予防接種。ワクチンには弱毒のウイルスを使った生ワクチンとウイルスの一部を使って無毒化した不活化ワクチンの2種類あります。現在、日本で行われているのは生ワクチンです。このワクチンによって、日本では自然発生するポリオはなくなりました。生ワクチンであるために、接種450万回に1回、弱毒のウイルスが小児まひを発症することがあります。これをワクチンによって発症するワクチン関連小児まひを呼んでいます。日本で発生しているポリオはこのワクチンによるものだけです。
日本以外のポリオが発生している地域(中近東、インド、中央アフリカなど)に旅行するときには、必ず予防接種をしておきましょう。