子供の病気/ポリオ

ポリオの治療と予防

ポリオは、四肢の麻痺、特に足の麻痺が多いのですが、原因はポリオウイルスです。治療法はあるのでしょうか?ポリオにかかった時の治療と予防について説明します。実は予防が大事です。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

ポリオの治療

しばらくは安静が必要ですが、発熱もなくなりますと、リハビリを行っていきます

しばらくは安静が必要。熱が下がってからリハビリを行っていきます

ポリオの原因であるポリオウイルスに対する特効薬は残念ながらありません。つまり、ポリオウイルスを抑えたり無毒化する薬はないので、予防が大切なのです。

吐いたり頭痛のような髄膜炎の症状に対しては点滴などの対症療法で症状を抑えます。
呼吸する筋肉への運動神経が麻痺する球麻痺は、呼吸ができない呼吸不全に対しては、人工呼吸器による補助を行います。

麻痺の症状については、しばらくは安静とし、状態が落ち着いたら、徐々に理学療法を行います。麻痺した足などは使わないと筋肉が細くなったり硬くなったりしますので、筋肉が硬くならないようにマッサージをします。麻痺の部分では体を支える事ができませんので、装具をつけて歩行練習を行います。 

ポリオの予防

清潔にすることが大切。口から感染するので、食事前の手洗いも有効です。

一番の予防は予防接種。ワクチンには弱毒のウイルスを使った生ワクチンとウイルスの一部を使って無毒化した不活化ワクチンの2種類あります。現在、日本で行われているのは生ワクチンです。このワクチンによって、日本では自然発生するポリオはなくなりました。生ワクチンであるために、接種450万回に1回、弱毒のウイルスが小児まひを発症することがあります。これをワクチンによって発症するワクチン関連小児まひを呼んでいます。日本で発生しているポリオはこのワクチンによるものだけです。

日本以外のポリオが発生している地域(中近東、インド、中央アフリカなど)に旅行するときには、必ず予防接種をしておきましょう。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます