口唇ヘルペスの症状

口元

ピリピリ・ムズムズといった違和感の後に唇に水ぶくれができたら、口唇ヘルペスかもしれません

口唇ヘルペスの症状は時間経過につれて変化していきます。

最初は唇や口の回りにヘルペスの前兆であるチクチク、ピリピリといった違和感を感じます。ムズムズと痒く感じたり、火照った感じがすることも。この時期は鏡を見ても明らかな皮膚の変化はありません。

次に、皮膚が赤く腫れた状態になります。女性だとお化粧で隠したいと思うかもしれませんね。さらに腫れた部分に体液が溜まって水ぶくれ(水疱)になります。この溜まった水には口唇ヘルペスの原因になっているウイルスが大量に含まれているので、水ぶくれを無理に潰すとウイルスが指に付き、他人にうつしてしまう原因になります。また、水疱を無理に潰すと傷口周辺の皮膚にいる別の細菌が入り、二次感染を起こしてしまうこともあります。

水ぶくれの部分が乾いてかさぶたができると回復に向かいます。全経過は2週間程度です。かさぶたを無理に取ると出血して新たなかさぶたができてしまうので、自然に取れるのを待ちましょう。

紛らわしいのは、唇の回りにできるニキビ・吹き出物です。ニキビの場合も赤くなったり、腫れたりする点は同じですが、ピリピリ、チクチクといった違和感を始めとする前兆があまりないので、口唇ヘルペスとは区別できると思います。

口唇ヘルペスの原因はウイルス

口唇へルペスの原因はウイルス。教科書的には現在8種類あるヘルペスウイルスのうち、単純ヘルペスI型というウイルスです。ヘルペスウイルスのうち、「ヘルペス」という病名で呼ばれるのは、この単純ヘルペスだけです。

ヘルペスの仲間が起こす良く知られている病気には、水疱瘡(みずぼうそう)や帯状疱疹、キス病と呼ばれる伝染性単核球症などがあります。

単純ヘルペスI型は症状が皮膚に出るので、皮膚に取りつくタイプのウイルスのように思われがちですが、実際に取りついているのは神経細胞です。

また、性行為感染症の一つで生殖器に感染を起こすヘルペスは、「単純ヘルペスII型」というウイルス。最近は性行為の変化により、単純ヘルペスII型が原因の口唇ヘルペスも増加傾向ですが、症状は全く同じ。通常の検査ではI型とII型のどちらのウイルスが原因かを区別することは難しいため、はっきりとした実数は分かっていません。

口唇ヘルペスの感染リスク

口唇ヘルペスには、他人に感染させるリスクと、他人から感染させられるリスクがあります。会社などの日常生活ではあまり気にしなくて大丈夫ですが、ウイルスが多量にいる水ぶくれが破れた場合に、破れた水疱を触った手で他のものを触ってしまうと、物を介して他人に感染する可能性があります。少なくとも水ぶくれがある時期のデートは避けた方が賢明でしょう。

他人から感染させられる可能性として一番高いのは、母子感染。ウイルスの母子感染予防にはワクチンが効果的ですが、単純ヘルペスに対するワクチンはまだないので、残念ながらワクチンによる予防はできません。新生児の時期は母親からの抗体があるので感染は起きにくいのですが、母子感染が起きても症状がすぐに出るとは限りません。特に小児の初めの発症時には、口唇ではなく口内炎として症状が起きることが多いとされています。

口唇ヘルペスが再発を繰り返す仕組み

通常の病気の場合、体の免疫系は、悪いウイルスが取りついた細胞を丸ごと排除して病気を治します。しかしヘルペス科のウイルスは、免疫系が完全に排除するのが難しい「神経細胞」という細胞に取りつきます。他の細胞は免疫系で一旦殺してしまっても再生しますが、神経細胞は再生機能がないため、免疫系も手を出すことができないのです。

そのため、神経系からウイルスが飛び出すのを抑えることができますが、完全にはウイルスを排除することができません。よって、口唇ヘルペスのウイルスは体に潜み続け、再発を繰り返すことになります。ウイルスを抑える免疫系の力が弱くなると、神経からウイルスが出て来て皮膚に病変を作ります。

口唇ヘルペスは最初の感染では、症状が強くて水ぶくれ(水疱)が大きい傾向があり、再発を繰り返して行くと症状が軽くなり水疱が小さくなって行く傾向になるとされています。何度も再発した人は皮膚が赤くなる前に、唇や口の回りのチクチク、ピリピリ、ムズムズといった違和感を感じ、再発が起こることが分かることが多いようです。

口唇ヘルペスを早く治すには?

口唇ヘルペスですが、通常は2週間ほどで自然治癒します。美容的に気にならなければ、自然経過に任せて治るのを待つのも選択肢の一つ。口唇ヘルペスをより早く治したい場合は、内服薬の服用も有効です。詳しくは「口唇ヘルペスの治療法」をご覧ください。

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