体験者に聞く低血糖の自覚症状

ブドウ糖の備えを忘れずに

ブドウ糖の備えを忘れずに

ある病院の糖尿病教室で、一人の女性が人の輪の中にいました。インスリン治療の指導入院中に低血糖を起したということで、患者仲間から質問攻めにあっていたのです。

スルフォニル尿素薬のようなインスリン分泌促進薬でも低血糖になることがありますが、インスリン療法では低血糖への備えが絶対に必要です。まだ体験したことのない人には、どんな症状が低血糖なのかとても気になりますね。

ま、はっきりお伝えしますが決して怖がらないでください。ルールさえ守れば10分後には完全に正常に戻ります。インスリン・ビギナーには強いリアクションが出ることがありますが、低血糖の自覚はとても個人差の大きいものなのです。まず自分自身の感覚を磨くしか方法はありません。

私は2型糖尿病ですが病歴が30年以上と長いので、もう十分なインスリンの分泌がありません。そのため数年前よりインスリンのマルチ・ショットにしていますので「低血糖」との共存は忘れたことはありません。

そんなに頻繁に起るわけではありませんが、夜中に異様にはっきりと目がさめた時は低血糖と判断しています。就寝中ですからブドウ糖を飲んだり口をすすぐのが面倒なので、ワイフが用意してくれている炭水化物15gぐらいの缶入りのソフトドリンクを飲んでクリアしています。

また、自分で分かることですが農作業が緩慢になり始めると、まず間違いなく低血糖です。なんとなく物が見えにくい状態もそうです。いずれも自覚できますよ。
とてもやっかいなのですが、インスリンの注射量が多過ぎたわけではないのです。毎日の基本となるインスリンに対して、食事の炭水化物が少なかった場合、あるいは農作業のように非日常的に激しい運動をした場合はどうしてもインスリンとのバランスが崩れてしまいます。自分でカバーするしかありません。

このようにインスリンやSU薬を使っている糖尿病者は低血糖のリスクが高くなります。基本のキは絶対に「我慢しないこと」です。低血糖は一過性のものなのか、もっと悪くなるものか誰にも分かりません。まず10gのブドウ糖を服用してください。
砂糖でもいいのですが、砂糖というのはブドウ糖と果糖を同量含んでいるもので、果糖には直ぐに血糖を上げる効果はありませんから、指示されたブドウ糖の倍量を取るのがいいでしょう。15分待ってリカバリーが不十分でしたら同量をもう一度服用しましょう。

低血糖の主な症状

低血糖の症状には交感神経を刺激する症状と、中枢神経が絶対的に血糖値が50mg/dl以下に低下したことによって生じる症状が混在しています。

交感神経刺激症状。血糖値が正常の範囲を超えて急カーブに降下すると次のようなアラームが発せられます。ほてりと異様な発刊、じっとりとした冷や汗、なんとない不安感、動悸、顔面蒼白、指のふるえ、口の渇き、空腹感、散瞳など。

中枢神経症状。集中できない、いらいら感、意識の混濁、異常行動、口のもつれ、運動失調、頭痛、ひきつけ、昏睡など。

これらの症状が全部表われるわけではありません。とても個人差がありますし、私の場合ではインスリンを使い始めたときと今では感覚が違います。まず怪しいと思ったら血糖値をチェックすること。病歴や年齢によっても症状は変化します。家族や職場の親しい友人に気配りしてもらうと安心です。そしてブドウ糖の備えを忘れずに。

車の中にもいつも用意しておきましょう。
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