糖尿病がある場合に注意すべき症状とは?

糖尿病がある場合に注意すべき症状とは?

1型糖尿病を20年以上治療している人の40~50%、長い2型糖尿病歴のある人の30~40%に胃の不全麻痺(gastroparesis)が起ると考えられています。これは自律神経障害の一つです。食後なのに低血糖になったり、予期せぬ食前の高血糖のある人はご注意ください。詳しく解説しましょう。

糖尿病がある場合に注意すべき症状

何となく感じる違和感から、以下のような症状はありませんか?
  • それ程食べていないのに満腹感がある
  • なぜか食欲があったり、なかったりする
  • 近頃少し太った、あるいは痩せた
  • 食後に低血糖になったり、食前が高血糖になったりして不安定
  • お腹がはる、胸焼けがする、腹部のけいれんがある
  • 説明のつかない吐き気がある
  • 朝に消化不良の食物を嘔吐したことがある
  • 便秘や下痢がある。交互に起きることもある
食事を始めて10分間ぐらいで食物(主に炭水化物)が小腸に移り始め、血糖値が上がります。低脂肪食なら1~2時間に血糖値がピークになります。ところが糖尿病歴が長いと胃の運動をコントロールする自律神経がしばしばダメージを受けるようになります。こうなると食物が胃に長く止まるのでいろいろな問題が起きます。

長い年月で少しずつ進むのでなかなか自覚できないものですが、これらも合併症なのでしっかり対応する必要があります。

胃不全麻痺と診断された場合の対策法

生活習慣の見直しとインスリンの打ち方を変えるだけで改善されます。

■ 食事療法
等量の食事を心掛け、夜遅くの重い夕食は避けましょう。一般に流動食は固体食よりも早く胃を通過します。脂っこい食事は胃に長く滞留するので避けましょう。ただし、牛乳やミルクセーキのように乳化した脂肪は胃不全麻痺でも流動することが経験上知られています。

血糖上昇を緩やかにする食物繊維の多い食事は糖尿病に薦められていますが、これらは胃が空になるのを遅らせてしまいます。特にペクチンの多い食品にご注意。胃不全麻痺なら消化を第一に。よく噛んで食べましょう。

また、食後はすぐに横にならないこと。少なくとも1時間はからだを起こしておきましょう。食後のウォーキングは消化を促進します。

■ インスリン計画の見直し
超速効型のインスリンは注射してから1~2時間で作用がピークになります。レギュラーインスリン(速効型)は3時間前後がピークです。この特性を生かして注射のタイミングを工夫することが胃不全麻痺ではキーポイントになります。
  • 超速効型のみを使用している人は、食後直ちに(食前ではなく)、1/2量を注射する。食後1~2時間後に残りの1/2を注射。
  • 超速効型とレギュラーを併用する方法は、食後直ちに規定量を超速効型1/2、レギュラー1/2に分けて注射すると良い。
インスリン療法の人は医師と相談してから実行するようにしてください。クエン酸モサプリドなどの胃の運動を高める薬もあります。
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