血圧を自己管理する方法

  血圧が高くて心配しすぎると、ますます血圧が上がってしまうことも…。

高血圧を心配しすぎると、ますます血圧が上がり、正確な測定ができなくなってしまうことも……

高血圧の正確な診断や、治療効果が出ているかを確認するためには、正しく血圧を測る必要があります。血圧は変動しやすいので、測る条件をそろえることが大切。以下に、2009年の高血圧治療ガイドラインに沿った方法を解説します。

■血圧計の選び方
血圧計は二の腕で測るタイプ、専門的に言うと「上腕カフ・オシロメトリック法に基づく血圧計」がよいでしょう。手首や指で測るものは正確な測定が難しいことがあるので、あまりお勧めできません。

■血圧測定の方法
基本的には以下の条件での測定が望ましいとされています。
  • 朝、 起きてから1時間以内
  • 朝食を食べる前
  • 朝の薬を飲む前
  • 1~2分座って安静にした後
毎朝、上記の条件で測定した上で、できれば夜寝る前にも、1~2分座って安静にした後に測る習慣をつけましょう。1日2回の測定は面倒かもしれませんが、朝の血圧が夜よりも高い「早朝高血圧」は心血管病のリスクとなりうることが知られているので、朝晩の血圧を測って比較することは大切。

また、血圧が高いと不安になって何回も測り直す方がいるようですが、基本的には1回の機会に測定するのは3回までにしましょう。1回でも十分とされています。繰り返しになりますが、血圧は変動しやすいもの。一喜一憂せず毎日の測定を続けることが大切です。

血圧の目標値

高血圧を治療する主な目的は、高血圧が持続することで起こる、脳卒中や心筋梗塞・狭心症などの心血管病の発症を防ぐこと。そのため、血圧以外の心血管病の危険因子、高血圧による臓器障害や心血管病合併の有無によって、血圧の目標値は異なります。主な目標値は以下の通りです。
  • 若年者・中年者……130/85mmHg未満
  • 高齢者……140/90mmHg未満
  • 糖尿病・慢性腎臓病・心筋梗塞後……130/80mmHg未満
  • 脳血管障害患者(脳卒中後)……140/90mmHg未満

高血圧の治療法

高血圧の治療の第一段階は生活習慣の修正、第二段階は血圧を下げる薬(降圧薬)での治療です。

まず、生活習慣は以下をポイントに改善していきましょう。

■食塩摂取量を制限する
食塩摂取は1日6g未満に。食品にはよく「ナトリウム」という表示がありますが、「ナトリウム=食塩」ではありません。「ナトリウム(g)×2.5=食塩(g)」という公式を覚えておきましょう。

■バランスのよい食事を心がける
特に果物や野菜、魚をたくさん摂るよう心がけ、肉や嗜好品から脂肪量を摂り過ぎないよう注意しましょう。

■減量する
肥満を伴う高血圧の場合、4~5kgの減量で血圧が改善できることが多いです。

■運動を取り入れる
毎日の運動は「運動療法」という立派な治療法の一つ。無理のないところからで大丈夫ですが、1日30分を目標にウォーキングなどの有酸素運動を。

■アルコールを制限する
飲酒後数時間は血圧が下がりますが、長期にわたる飲酒は血圧上昇の原因に。男性の場合は、1日あたり日本酒なら1合程度まで。

以上の生活習慣の改善を行っても十分に血圧が下がらない場合は、薬による治療を開始します。ただし、糖尿病や慢性腎臓病、心筋梗塞後の患者さんは心血管病のリスクが高いため、生活習慣の修正とともに直ちに薬剤を用いて治療を開始します。

高血圧の改善薬

主な降圧剤は大きく分けて5種類。1種類の服薬で効果が不十分な場合には2種類、3種類と増やすこともあります。1日1回内服のものが多いですが、1日の中で血圧が大きく変動する場合は朝晩に分けることも。また、血圧は季節によっても変動するので、血圧の下がりやすい夏は一時的に薬の減量や中止をすることもあります。このようなベストな治療を行っていくためにも、毎日の血圧測定がとても大切なのです。

降圧薬で血圧が安定すると、治ったと思ってお薬を止めてしまう方がいますが、お薬で抑えている血圧は、薬を止めると再上昇することが多いので、勝手にやめずに主治医と相談するようにしてください。
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