よく知られているように「がん、心臓病、脳卒中」は日本人の死亡原因の3分の2を占める3大疾病と言われています。そのほとんどに生活習慣病が大きく関わっています。

とりわけ、喫煙に伴う障害や糖尿病、高血圧症などの及ぼす影響は深刻です。実は「喫煙、糖尿病、高血圧症」はそのまま、ED(勃起不全)を招く3大要因でもあるのです。

その中でも、今回は喫煙とEDとの関係についてご紹介しましょう。EDに限らず、喫煙習慣が健康を損ねることは明白。EDを喫煙の最大の弊害として啓発活動に取り組んでいる国もあるようです。

ED患者の80%以上が喫煙者

タバコを吸いながら回復の機会を待ったのに…、ますます戦意喪失するのはなぜ?

タバコを吸いながら回復の機会を待ったのに…、ますます戦意喪失するのはなぜ?

イドのクリニックに次のような相談が寄せられました。かいつまんで紹介すると「このところ家での勃ちが悪いので“遠征”に出かけたところ、熟練のプロの技術で“親子”ともども元気になった。しかし、いざ突入しようとすると中折れしてしまい、一時休戦。その間にタバコを吸いながら、なんとか回復の機会をうかがったが、吸えば吸うほど息子は戦意を喪失するばかり。ついには縮んで、まったくダメになった」というのです。

このケースは典型的な「タバコED」です。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる強力な作用があります。ですから、健全な勃起にとっては大敵。陰茎は血管でできていると言ってもよいくらい複雑な血管網で構築されています。その陰茎海綿体を貫く動脈に流入する血液が満たされることによって勃起は起こりますが、ニコチンにより肝心の血管がしぼむので、あそこもしぼんでしまうのです。

EDの80%以上が喫煙者というデータがそれを裏付けています。また、ED治療薬の効果がタバコで落ちる場合もしばしばあります。せっかく効いているED治療薬をタバコがしぼませてしまう。実にもったいないことです。

セックスが終わった後にベッドでおいしそうにタバコをふかすシーンは映画などの定番的な演出の1つです。しかし、喫煙はEDの原因になるばかりでなく、多くの病気を引き起こす原因にもなります。タバコは演出上の小道具として有効であっても、健康にとっては「百害あって一利なし」と肝に銘じましょう。

血管の収縮のほかにも、心拍数の増加や血圧の上昇、心筋収縮力の増加など、ニコチンには循環器機能に関係するさまざまな作用のあることが確認されています。

禁煙がED治療の第一歩

このように、嗜好品とはいえ、タバコの及ぼす害は決して小さいものではありません。ですから、喫煙者にとってED治療の第一歩は、まずタバコをやめることです。

たとえ、ニコチンやタールの含有量が少ない軽い種類を選んだとしても、タバコであることに変わりはありません。タバコの害をなくすには禁煙以外の選択肢はないと心得ましょう。

もちろん、EDは複合的な要因で起こることが多いので、タバコをやめたからといって、EDがすぐに改善したり治ったりするわけではありません。ただ、喫煙は健康面ばかりでなく、人生にとってもマイナスになることばかりなので、やめるにこしたことはありません。

豊かな性生活のために合理的選択を

タバコをやめて、ハッピーな未来を手に入れる?それとも、「百害あって一利なし」のタバコを選択する?

タバコをやめて、ハッピーな未来を手に入れる?それとも、「百害あって一利なし」のタバコを選択する?

れまでの連載で繰り返し説明してきたように、EDは治療で治すことのできる病気です。そのなかでも、ED治療薬による効果は非常に優れていることが知られています。せっかくEDを改善する治療薬があるのですから、その効き目を妨げるタバコをやめることは実に合理的な選択なのです。

パブ発祥の地である英国が2007年、アイルランドに続いて屋内の公共の場での全面禁煙に踏み切ったのは国家的英断だと思います。もちろん、英国人の憩いの場であるパブも例外ではありません。日本では、新鮮さが勝負の寿司屋ですら全面禁煙の店はまれ。喫煙は食を中折れにするようなものでしょう。

ガイドのクリニックには、胸ポケットにタバコの箱を入れて来院される方も少なくありません。深くは追求しませんが、治療効果を高めるためにも禁煙に踏み切る勇気を持っていただきたいものです。

EDが回復することで得られる豊かで潤いのある性生活を取るか、「百害あって一利なし」のタバコを取るか――。答えは自ずと明らかなはずです。

>>早漏とED
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