業者の特長を活かして低予算で流し台も交換
Tさんのお住まいは廊下の途中に洗面台、突き当たりに台所があるという間取りで、今回、A社とB社の見積りで大きく異なっていたのは、床工事そのものの費用だけではなく、この水回り設備の移動・補修工賃でした。水回り設備を一時動かしたり、移設したりする場合、ただそれらを移動させればよいのではなく、給排水を適宜補修する必要があります。今回リフォームを依頼したB社は、この工事を得意としていました。一般的な大工職人は設備工事を手がけることは少なく、通常は大工と設備工にそれぞれ対応してもらう必要がありますが、B社は大工工事と設備工事の対応できる多能工が対応することで、重複する人件費を抑えることができていたのです。
当初、床工事の予算を30万円としていたTさんは、この話をB社から聞いて、以前より気になっていた古い流し台の交換と、和室窓のひさしの補修についても見積りをお願いしました。結果、B社は約14万円の追加見積りを提示してきたので、こちらも一緒に依頼することにしました。
下地のDIY施工が床フワフワの原因だった
既存クッションフロアを剥がしていきます。DIYで施工した時の接着剤が、床フワフワの原因でした。 |
今回の工事でわかったことは、Tさんがかつてクッションフロアを施工した時に用いた接着剤に問題があったようです。この接着剤の水気が多かったために、下地のベニアが吸湿してしまい、劣化を早めてしまったようなのです。幸いなことに根太は、築年数の古い住宅の割には、太くて丈夫なものを使ってあったため、下手にベニア板を剥がして根太を傷付けてしまうよりは、下地材として使用した方が良いということもわかり、Tさんは改めてプロのリフォームの奥深さを知ったのでした。
次のページでは、実際の工事と仕上がりの様子、そして工事金額についてご紹介します。