夏に増えるクーラー病
暑い夏なのに体は冷えて肩こりに悩まされる人が多くみられます
夏に増える肩こりの原因といえば、クーラー病が挙げられます。私への相談の中にも、「クーラーによる冷えから肩こりや頭痛になった」というお話が多く寄せられます。
それでは、肩こりや頭痛を予防するべく、クーラー病対策についてお話しましょう。
クーラー病の症状
冷えによるクーラー病が原因と考えられる症状には、下記のようなものがあります。肩こり、頭痛だけではなく、その他の症状も一緒に起こることがあり、体のあらゆるところに不調を感じることがあります。
■肩こり、頭痛
以前からの肩こりが悪化したり、肩こりを感じることが増えるなど。さらにひどくなると、こりが痛みに変わることも。
■腰痛、下肢症状
腰の張りや違和感が目立つようになり、腰痛を伴うことが多くなる。お尻や太ももの筋肉が冷たくなり、足の付け根より下に、冷たい感覚、痛み、むくみ、しびれ等を生じるようになる。
■胃腸の機能低下
食欲減退、便秘、下痢をしやすくなるなど、胃腸の調子が悪くなりがちに。
■だるさ、疲労感
睡眠時間の長短は関係なく、だるさや疲労感が解消されない。のぼせるような感覚や体がゾクゾクすることもある。
クーラー病の原因
外と室内の温度差により、自律神経系が乱れて体がこりやすくなります
本来、体の機能を維持させ元気に過ごす事ができるように、私達の体には、環境の変化に適応できるような調整機能が備わっています。
ところが、夏になるクーラーで冷やされたオフィスや乗り物の中と外の温度差が大きくなり、その差を頻繁に体感しているうちに、体の調整機能が乱れやすくなります。
体の深部体温も低下するとともに、内臓機能低下や肩こり、頭痛、腰痛につながる抹消の血流減少も起こります。すると、筋肉が過剰に緊張して硬くなり、酸素不足や栄養不足に陥ります。これが、こりや痛みのモトとなります。
クーラー病の予防・対策
うちわで扇ぐなど、なるべく自然な風で涼みましょう
■温度差を少なくする
毎日、外と室内の温度差が大きい中を出入りしていると、体温調整機能に関わる自律神経系の働きを乱すことになります。温度差はなるべく5℃以内にとどめ、室内の温度は27~28℃くらいにしましょう。
■羽織るものを用意しておく
職場によっては、室内温度を低く保たなければいけないこともあるようです。また、外回りの仕事から帰ってきた人は、汗ダラダラですぐさまクーラーの温度を下げる、といった場面も。やむをえない状況のために、衣類で調整しましょう。
■体内から温める
深部体温が低くなると、全身症状が表れやすくなります。そこで、飲み物はなるべく温かいものを選び、さらに筋肉の温度を上昇させるべく、軽い筋力トレーニングや帰宅時に歩く距離を延ばして、大またで歩いてみるなど、軽めの運動も取り入れてみましょう。
■外から温める
職場で、クーラーが直撃する場所に座っている、という人も少なくないようです。可能であれば、ホットパック(電子レンジ対応型とそのままで使用できるものがあります)を休み時間に冷える箇所へ乗せたり、湯たんぽを太ももの上に置いたりと、外から温めてみましょう。
■お風呂で温まる
夏はシャワーだけで済ます人もいますが、クーラー病対策としては、しっかりとお風呂に入り芯から温まることをおすすめいたします。38度くらいのお湯に、ゆっくりと浸かり、目を閉じて体をリラックスさせましょう。