ひどい月経痛を伴う月経困難症には、2つの種類があります。子宮内膜症や子宮筋腫など月経痛の原因となる病気がはっきりしている「器質性月経困難症」と、はっきりとした原因は分からないけれどとにかく痛い「機能性月経困難症」です。以下で、この2つの月経困難症について解説します。
 

器質性月経困難症で最も多いのは「子宮内膜症」

月経痛がひどければ早めに受診を

月経痛がひどい場合は、まず子宮内膜症ではないかを検査しましょう

器質性月経困難症の原因で最も多いのは、子宮内膜症。もともと月経痛がひどい人や、だんだん痛みがひどくなる人は、まず内膜症の検査をオススメします。内膜症の中でも子宮腺筋症といって、子宮の壁が内膜症の病変によって分厚くなっている人は、月経痛がひどく出血量も多くなりやすいのです。

器質性月経困難症の原因となりうる病気は、内膜症以外にもいくつかあります。子宮のお部屋の中に出っ張るタイプの子宮筋腫=粘膜下筋腫がある場合は、月経のたびにこの筋腫を押し出すように子宮がギュッと強く収縮するので、強い痛みの原因になることがあります。出血量も増えやすいので、余計に痛みが強くなりやすいのです。

数はあまり多くありませんが、双角子宮や重複子宮のような「子宮奇形」の場合も、血液がスムーズに出にくいために痛みが強くなりやすいようです。

子宮の位置が後ろに強く傾きすぎている「子宮後屈」は病気ではありませんが、血液がスムーズに排出されにくいことがあり、その場合は強い痛みを伴うことがあります。

病気がないのに痛い機能性月経困難症の症状

月経困難症の人の多くは、検査をしても何も異常が見つからない「機能性月経困難症」です。中にはごく初期の子宮内膜症で、普通の検査でははっきりと分からないだけという場合もありますが、何も病気がないけれど痛いという人の方が圧倒的に多いのです。

病気がないのになぜ痛みが強くなる人がいるのでしょう? 様々な説がありますが、1つは「月経痛の症状と病院受診の目安」で解説した痛みの伝達物質「プロスタグランジン」が多く出てしまうせいだと考えられています。子宮内膜が人より分厚くなりやすい人は、その分出てくるプロスタグランジンも多くなってしまうので、強い痛みが出ている可能性があります。

また、月経の時期は多かれ少なかれ、子宮の周りに血液が滞ってしまいます(これを医学的には「うっ血」といいます)。もともと冷え性だったり血液の流れが悪い人の場合、月経時期のうっ血がひどくなって下腹や腰が重くなり、痛みを感じやすくなります。

それ以外にも、特に若い人の月経困難症は子宮がまだ未熟で細長い形をしているために月経血がスムーズに出にくく、子宮が無理やり血液を押し出そうとするため痛みがひどくなっている可能性もあります。年齢とともに月経痛が軽くなったり、お産をすると痛みが軽くなったりすることがあるのは、月経血の通り道が広がるためです。

月経困難症になりやすい人の特徴

器質性月経困難症のなりやすさに共通点はありませんが、機能性月経困難症になりやすい人は、タバコを吸っていたり、冷え性だったり、不規則な生活をしていることが多いです。これらは全て血液の流れを悪くしてしまう行為なので、可能な限り改善してください。

特に、タバコは血管を収縮させて血液をドロドロにしてしまうため、血液の流れが非常に悪くなり、重たい月経痛を招きやすいのです。タバコは百害あって一利なし! タバコを吸っている人は、どんな治療よりもまず先にしっかり禁煙するように心がけましょう。
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