ガマンは禁物! 婦人科を受診するべき月経痛の異常
一般的な「月経痛」のレベルを超えた痛みを我慢するのは危険です
月経の初日や2日目に下腹の痛みがあるけれど痛み止めを飲むほどではないし、学校や仕事にも特に支障はないという人は、血流が悪くなって痛みが増すことがないよう、体を冷やさないように気をつけたり、ストレッチなどの軽い運動で血行改善を図る程度でOK。定期検診を受けていれば、病気の心配をする必要もありません。
月経痛が問題になるのは、痛みが非常に強く、日常生活に支障が出たり、毎回痛み止めを何錠も飲まなければいけなかったりするケースです。月経のたびに寝込んで仕事を休むような人は、「単なる月経痛」と放置していてはいけません。特に、以前は効いていた痛み止めが効かなくなってきたり、痛み止めが効いている時間が短くなってきていたりしたら要注意。この場合、月経痛の原因となる病気が進んできている可能性もあるので、早めに婦人科を受診する必要があります。
ひどい月経痛を伴う「月経困難症」
寝込むほど月経痛がひどいのは、「月経困難症」という病気。月経困難症の最も特徴的な症状は、痛み止めがなければ我慢できないほどのひどい月経痛。中には痛みがひどすぎて立ちくらみを起こしてしまったり、吐き気を伴ったりする人もいます。時々「腹痛を起こした若い女性が駅で倒れました」と救急隊から連絡が入ることがあるのですが、救急車で運ばれてきた方を診察してみると実は月経痛がひどすぎて倒れただけだった、ということも少なくありません。月経困難症は、ひどい月経痛以外にも、頭痛・めまい・腰痛・下痢などの様々な症状が出ることがあります。なぜこんな症状が出るのかというと、痛みを伝える「プロスタグランジン」という物質が子宮の中の「子宮内膜」からたくさん放出されてしまうから。プロスタグランジンは、痛みを伝えるだけではなく、腸を動かしたり血管の壁を収縮させたりする働きを持っています。月経の時期に子宮内膜が分厚くなると、このプロスタグランジンが出すぎて様々な症状を引き起こすのです。
月経痛がひどい場合、婦人科を受診するタイミングの目安
診断は、基本的に「自覚症状の強さ」で判断します。つまり、客観的に月経困難症かどうかを診断する「検査」はなく、本人がどれだけその痛みや、その他の症状で困っているかが判断基準になるのです。血液検査などのように数値で表すものがないだけに、どの段階で受診や治療が必要なのか自分では判断がつきづらいかもしれませんね。受診のタイミングの目安は以下の通りです。
- 毎回痛み止めが必要なほど月経痛がひどい
- 月経痛で寝込むことがある
- 月経時に痛み止めを飲んでもあまり効かない
- 月経痛以外にも、頭痛や出血過多など不安に感じる症状がある
- 痛みが年々ひどくなっている
月経痛は我慢するものではありません。改善する方法があるのに、何もせず毎月月経のたびに憂鬱な気分で過ごすなんてもったいないじゃないですか。適切な治療や生活改善で快適な毎日を手に入れてくださいね。
【関連記事】