心臓突然死(心停止)の救命法
急な心停止には救急車は間に合いません。自衛策が必要です
それでも救命蘇生はベストを尽くすべきです。以下の要領で行うことを平素から準備することが勧められます
急に意識を失って、痙攣などが起き、脈が触れないときには以下の手順で対応しましょう。
正しい心肺蘇生はお互いのために大切で有用です。平素から講習を受けておかれることをお勧めします
- 大声で呼び、肩や顔をたたいて意識の確認をする。同時に大きな声で周囲から人を集める
- 胸の真ん中をポンポンと叩いてみる
- それでだめなら、続けて心臓マッサージと人工呼吸を行う。 心臓マッサージは1分間に60~80回の目安で行う。かなり強く押さないと有効なマッサージにならないので、一度は講習を受け練習しておくことが有効
- AEDが備えられている所では、それを使ってみる
- 人工呼吸は顎を上げるようにして鼻穴をおさえ、口に口をつけて倒れた人の肺を膨らませるように息を吹き込む。1分間にこれを2度ずつ、4回行う
上記を独りで行う場合は、人工呼吸よりも心臓マッサージを優先することが最近は勧められています。それと同時に救急車を手配し、しかるべき医療機関に転送するようにしましょう。
救急隊が到着するまでに有効な心肺蘇生ができていた場合、救命できた例がありす。いざというときに命を救えるかどうかが関係してくるので、蘇生救命の講習は大切です。大切な方々を守るために、そしてご自身の安全のためにも、ぜひ蘇生救命の講習を受けて方法をマスターしておきましょう。いちど指導を受けて練習しておくと、効果は格段に上がります。ぜひ講習を受けましょう。
心臓突然死を招く病気の予防法
冠動脈を予防するか、少なくとも早期発見することが心臓突然死対策のNo.1となります
- 糖尿病
- 高血圧
- 高脂血症(総コレステロールや中性脂肪の高値)
- 喫煙
- 家族歴(血のつながりのある方に同じ病気があること)
- 慢性腎不全・血液透析
- 肥満、メタボ
- 運動不足
- ストレス
ストレスは慢性、急性とも大きな負担となります。対策が肝要です
自覚症状がある場合は、しかるべき専門医に相談し、予防や治療の方針を立てれば突然死はある程度は防げるでしょう。しかし、健診や人間 ドックでは潜在性心疾患までは事前に発見できないこともあり、その場合は突然死を防ぐことは難しいかも知れません。健診では心電図や胸部レントゲンどまりのこともあり、それだけでは心筋症、弁膜症や狭心症の診断ができないことも多々あります。
心臓のCT(図)や心エコーで多くの心臓病がわかります。リスクの高さを早期に知ることで、危険を回避できる確率はあがります
危険なタイプの不整脈があると判明した患者さんについては、薬やカテーテル治療でその不整脈を抑え込むようにします。それらが功を奏さない重症例には、電気的除細動器を小型化し、ペースメーカーのように胸の皮膚の下に埋め込むことで、いつ何時危険な不整脈がでても器械が自動的に検知し、自動的に除細動できるのです。
ちょっとした注意で、スポーツはもっと安全になります
- 普段から定期的に健康診断を受け、できる範囲で心臓その他に異常のないことを確認する
- 体調が悪いときには無理に運動をしない
- 自分の体力以上の過度な運動はしない
- 運動をする前は充分に準備運動を行うようにする
- 運動中に異常を感じたら、すぐに中止する
日常生活の中でできる心臓突然死の予防法
平素の生活の中で心臓突然死予防のためにできることがたくさんあります。小さな蓄積には大きな意味があります
- 学校や職場などの定期健康診断は必ず受ける
- 年に数回は血圧を測定する(特に中高年では重要)
- 毎日体重を計る習慣をつけ、肥満を防ぐ
- 塩分は控えめに(塩分の摂り過ぎは体重増加でわかります)
- 何か自覚症状が出たら医療機関を受診する(特に心臓の症状が気になる場合、心臓専門の医療機関や科で相談する)
- 禁煙する。できない場合は本数を減らし、根元まで吸わないようにする
- ストレスをさける (特に競争心が強い努力家、性急、短気なタイプの人)
- スポーツなどの趣味を生活の中に取り入れる
- 睡眠を十分に取る
参考サイト: 心臓外科手術情報WEB