気管支炎の症状と診断法
レントゲンで肺炎がないと分かると、気管支炎の診断につながります
風邪の場合は鼻から喉、声帯までを中心に炎症が起きることが多いのですが、気管支炎の場合はもう少し奥の気管支に炎症が及んでいると考えると分かりやすいと思います。
肺炎に似た長く続く咳や痰の症状があるものの、レントゲン写真などの検査で肺炎ほどひどい状態ではない場合、気管支炎と診断されます。
気管支炎の治療法
呼吸器は、鼻から喉までの上気道(じょうきどう)と、気管支から肺までの下気道(かきどう)に分けられます。健康な人の上気道には、常に細菌が存在していますが、下気道には菌は存在していません。このため下気道である気管支に炎症が起きて抵抗力が弱くなった場合、上気道の細菌による細菌感染が起こることも多く、抗菌薬が必要になることがあります。しかし、気管支炎の治療は必ず抗菌薬を用いるべきということではありません。安静にしていると自然軽快することもしばしばです。
原因となる病原体については、乳幼児ではRSウイルスやパラインフルエンザウイルスによる細気管支炎が代表的ですが、成人も含めると気管支炎を起こす頻度はマイコプラズマウイルスが多いと考えられています。
マイコプラズマによる気管支炎は激しい咳が特徴的で、自然軽快することが多いのですが、抗菌薬を用いる場合にはマクロライド系、テトラサイクリン系、ケトライド系、ニューキノロン系抗菌薬が有効です。
気管支炎の咳は、まずは安静にして経過を観察することが最も適切ですが、あまりに症状がつらい場合にはリン酸コデインあるいはリン酸ジヒドロコデインという、咳を出す中枢に作用する比較的強い鎮咳薬を用いることがあります。コデイン以外の効果は乏しいことがありますが、この他にも麦門冬湯(ばくもんどうとう)や清肺湯(せいはいとう)などの漢方薬を用いることもあります。
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