保険の利かないセラミックの歯の種類
保険の白い歯は樹脂系、保険が利かない白い歯は主にセラミック系が多い
■ ポーセレンメタルボンド (一部金属使用のセラミック)
30年以上前から利用されていて、臨床的に安心感があるのが特徴。白いセラミックの内部に金属の被せものがある。色合わせの手法がほぼ確立され、審美的、強度的にも安定で、ブリッジも可能。オールセラミックよりは若干安価で、6~12万円程度のことが多い。
■ オールセラミック (金属非使用)
この数年で一般的になってきたタイプで、金属を全く使用しないため金属アレルギーの心配がない。審美的に優れていることも。一部金属利用のセラミックより若干高価で、8~15万円程度のことが多い。
オールセラミックは金属を利用しないため、これまでは真っ二つに割れてしまうことがあったり、ブリッジを作ることができなかったりと、ごく限られた症例でしか使用されませんでした。次に解説する新しいタイプのセラミックは、この弱点を解消しています。
新タイプの「ジルコニアセラミックス」のメリット
以前のオールセラミックでは、割れやすさなどの強度的な問題を、厚みをつけたり取り付ける際に特殊なセメント(接着剤)を使用したりすることでカバーしていました。近年登場したのが「ジルコニアセラミックス」という人造ダイヤの成分を配合した強度の高いセラミック。歯の全てをこれで作るのではなく、ポーセレンメタルボンドの金属の代わりにジルコニアセラミックスを使用し、さらに周囲を以前のようなセラミックで覆う2重構造のオールセラミックです。
このため全く金属を使わなくても強度がアップし、以前のように真っ二つに割れるなどのトラブルが減少しました。取り扱いの難しさも改善され、一般の歯科医院でも扱われるようになったのです。今では以前はあまり見られなかったオールセラミックブリッジなどもできるようになっています。
金属アレルギー対策の切り札にも
一般的に、口の中に使用する金属はできるだけ金属アレルギーを起こしにくいものが利用されています。それでも金属を利用する限り全ての人の金属アレルギーは防ぐことは出来ません。歯に使用している金属に対してアレルギー反応がある場合、金属をセラミックや樹脂に置き換えることで金属アレルギー反応を抑えられることがほとんど。とはいえ、これまではブリッジ治療を行った箇所には金属を利用するしかありませんでした。近年登場したジルコニアセラミックなら、口の中から全ての金属を取り除ける可能性があります。
歯の治療ではできるだけ金属を利用せず、必要に応じてジルコニアセラミックなどの新しい素材を採用していくのが、これからの虫歯治療の主流になるかもしれません。