保険で白くは場所限定
白い歯を被せる場合、保険を利用する一般的ケースでは矢印の範囲内の12本が認められている。これ以外の部分は基本的には金属色の被せものになる
基本的には保険で白く被せられるのは前歯の犬歯(糸切り歯)の間(上6本、下6本)の12本だけです。これ以外の奥歯の部分は、白い被せものは保険ではカバーされないことが多くなります。
白い材料の比較
被せものを白く見せるために、よく使われているのは、次の2種類の材料です。セラミック(ポーセレン)ならば耐久性は抜群。
■【自費】 セラミック(ポーセレン)系
保険では認められていません。しかし審美性、耐摩耗性に優れるため、本物の歯に近い質感を出しやすい、最高の材料です。長期間経過しても色や艶の変化はあまり見られません。
■【保険】 硬質レジン系
保険の白い歯でよく使われます。小さな虫歯の時に詰める材料と同じ様なものです。色はセラミックに比べると透明感などが作りにくいため、自分の歯との違いが目立つこともあります。時間と共に若干変色します。歯ブラシなどの磨きキズがつきやすく、艶が無くなる事もあります。 白い食器などに例えると、セラミック系は陶器、レジン系はプラスチックのコップと考えればよいでしょう。どちらも初めはピカピカですが、毎日使って歯ブラシで汚れを取っていくうちにプラスチックは艶が無くなって色も少し変色します。陶器は歯ブラシなどでは、キズもつかずにピカピカのまま、変色もほとんどありません。
構造の違いも費用の違いとなる
白い歯は大きく分けて2種類の構造があります。構造が同じでもレジン系の材料を使えば保険が利用できますが、セラミックなどの材料を使えば保険は利用できません。■白い材料のみで被せるものを作る (主に自費)
この方法でよく聞くのはオールセラミックという方法です。これはセラミックのみで、白い被せものを作ります。色合いは最高です。よくできたものは、本物の歯と同じように見えます。しかも色の変色などはほとんどありません。
欠点は、金属と比べるとやや脆いことです。かみ合わせの強い歯に使うと欠けたり、割れたりすることもあります。費用も白い被せものの中でもっとも高価になります。
■金属で被せて白い材料で包み込む (保険・自費)
白い被せものの内部に薄い(0.5ミリほど)金属で補強用の裏打ちを入れたものです。このため壊れにくくなっています。金属の被せものの周りに白い材料を取り付ける2重構造になっています。裏打ちの金属は口の外からは、ほとんど見えません。
欠点は、金属が入るために色合いが、白い材料だけで作るタイプに比べて劣ること、歯の裏側は金属が見えた状態になる場合もあることです。 白い被せものは、審美性が高く、本物の歯に近づけようとすると費用も高額になっていきます。保険を利用した白い被せものは前歯限定ですが、色合いや艶などやや問題もあります。
その他のかぶせ物
被せものは中の土台の処理によっても耐久性に違いが出ます。むしろこちらの方が大事かもしれません。土台をしっかり作っていないと、まだ使えそうな白い歯が取れて使えない、なんてことも起こります。また保険という枠にとらわれずに高度な治療を行なっている場合など、治療内容や被せものなどの精度を重視しているため、単に材料の違いではなく、高度な治療内容で自費にて作製する場合もあります。そのため実際の診療の際には、事前に医院などで確認することをお勧めします。