虫歯/虫歯の治療法

虫歯の治療法【歯科医が解説】

最新の虫歯治療には色々な方法があります。「前回は1回で終わった虫歯治療なのに時間がかかる」など、治療回数に疑問を感じたことはありませんか? 虫歯の治療は、大きさ・位置・深さによって治療方法や通院回数が変わってくるのです。代表的な虫歯の治療、保険・自費診療で行われるそれぞれの治療特徴について、歯科医が解説します。

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

虫歯の判断基準は大きさ・位置・深さ

歯を磨く女の子

虫歯の治療は、症状が軽ければ治療は一回で終了します。日々のケアが欠かせません!

虫歯治療は、まず表面的な大きさや位置によって、段階的に治療方法が選択され、さらに深さによって、歯の神経を取るor取らないといった判断が行なわれます。想像がつくと思いますが、小さくて浅い虫歯ほど、修復には有利となります。代表的な虫歯の治療法や、治療に使用する被せ物の種類について詳しく解説します。

虫歯治療法は「詰める・嵌め込む・被せる」の大きく3つ

虫歯の治療は、下記の3種類のいずれかになることがほとんどです。

1.樹脂などで詰める (主に小さな虫歯)
小さな虫歯は、削り取った後、すぐに樹脂などで穴を塞げば治療が終わります。歯を元の形に整えて、光などを当てて樹脂を固めます。治療が1回で済むので、通院の負担もかかりません。

2.型を取って、嵌め込む (主に中程度の虫歯)
中程度の虫歯は少し深く削るので、樹脂で塞ぐだけでは済みません。一度歯の型を取って、虫歯を削った部分にピッタリと収まる物を作ります。材質は金属や樹脂などです。型はすぐにはできないので、治療には最低2回程度かかります。

3.歯に金属などを被せる (大きな虫歯・深い虫歯)
大きな虫歯や深い虫歯の場合、歯と歯がぶつかり合う際の力に耐えるようにするため、虫歯の箇所以外に歯の周囲も削って被せることになります。2と同じく一度型を取りますが、歯に丸ごとかぶせる、被せ物を作ることになります。治療には数回通う必要があります。

1→2→3の順に歯を削る量が増えるため、一度治療を進めた後では、ひとつ軽い治療法に変えることは出来ません。

詰め物・被せ物の保険と自費の違い

歯に使う詰め物や被せ物は、なるべく目立たない方がよいですよね。保険の範囲内の被せ物などは、基本的に機能回復に重点が置かれるため、治療費が少なくて済む代わりに、見た目がよくない銀色の金属だったり、材質が磨耗して治療跡がしだいに目立つことがあります。

しかし、より自然の歯に近い見た目にこだわりたい場合は、健康保険が適応されない自費負担で、材質のグレードを上げることもできます。自費負担になる主な材質を3つご紹介します。

セラミックのメリット・特徴

保険適応では、銀歯になってしまう被せ物も、自費負担でセラミックを使用することで、目立たない自然の歯のような仕上がりにすることができます。さらに年数が経過しても変色せず、耐久性にも優れています。

特に最近注目されているのは、セラミックにジルコニア(人工ダイヤ)を配合した、硬くて強度のあるセラミックです。それまでのセラミックは、脆いため衝撃に弱く、まれに欠けたり割れたりすることもありました。この欠点を改善したのが、ジルコニア配合セラミックです。金属並みの強度をもち、衝撃にも強いといわれ、それまで不可能であった治療への応用範囲が広がりました。

たとえばブリッジと呼ばれる、歯のない部分の両端の歯を被せて繋ぎあわせる治療は、それまではまず金属のフレームを作ってからセラミックでカバーして、金属を目立たないようにしていましたが、ジルコニア配合セラミックでは、金属をまったく使用せず、セラミックのみで作ることができるようになりました。金属を使用しないことは、見た目の更なる向上や、金属アレルギーの心配がないなどの大きなメリットとなります。

ハイブリッドセラミックのメリット・特徴

セラミックの成分と樹脂を混ぜ合わせたようなタイプで、白い色をしています。一度型を取った後ピッタリ嵌め込むようなタイプでは、保険適応では、銀色の金属が歯に埋め込まれたようになりますが、これを使用すると、歯と同じような色になるため、目立たなくすることが出来ます。

ゴールドのメリット・特徴

実は歯の被せ物で、見た目を除いて、機能面で最も理想的な材料は、金合金です。金属アレルギーも起こしにくく、歯と同じような熱膨張係数のため、食事などの温度変化が口の中で起こっても、歯に負担が掛かりません。さらに歯と同じような硬さのため、使用に伴い歯と同じように磨耗してくれます。そのため咬み合わせや、顎関節などに負担を与えにくいというメリットがあります。今でもその優れた機能性は多くの専門家に支持されています。

その他、歯に使う材料だけでなく、より精度を追求したり、特別な技術で治療を行なう場合には、健康保険の適応外で自費診療になることがあります。

治療の流れや治療法について、大体理解できたでしょうか? また、歯医者さんに行く前に突然歯痛に襲われた場合、冷やしたり、痛み止めを飲んだりする人が多いようです。自分でできる対処法については「虫歯の応急処置」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで虫歯対策用品をチェック!楽天市場で虫歯対策用品をチェック!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます