親知らずを抜く判断基準とは?
痛くなるだけのためにだけに生えてしまっているときは、抜く方が良いことが多い
親知らずの咬みこむ相手の歯(上なら下、下なら上)が無かったり、斜めに生えていて、満足に咬むことができないのに、虫歯や歯周病になって腫れてたり痛くなる…。
そのような役割のみ場合には、歯としての働きよりも痛くなったり腫れたりするためだけに存在していることになります。このため抜いてしまう可能性は高くなります。
虫歯になっていても、歯としての働き(咬む)をしている場合には、虫歯が大きくなければ、治療して残すこともあります。
親知らずを抜かなくてはならないとき
親知らずは必要があれば抜いた方が良いことがあります。以下のようなことが考えられるときは抜く可能性は高くなります。■親知らずの腫れが繰り返されるとき
1度腫れると少し時間をおいてから再び腫れることがあります。短期間(1~3ヵ月)に腫れることが繰り返されるときは、抜くことが有効です。
■物が挟まりやすく、親知らずの前の歯が虫歯になりやすいとき
親知らずよりもその前の歯に悪い影響が出る場合は、前の歯を優先して保護するために親知らずを抜くことがあります。
■虫歯が大きく、場所が口の奥で治療の器具が入らないとき
治療器具が上や下の歯にぶつかって、虫歯の治療ができない場合、抜くことが有効な治療となることがあります。 ■歯並びに影響がでる場合
親知らずは生えてくるスペースがないと、他の歯を押して出てくるときがあるため、正常な歯並びを乱してしまうことがあります。歯並びを保護するために親知らずを抜くことが良いことがあります。 ■上か下かいずれか片方しか生えていない場合 正常に生えてきたとしてもかみ合わせる歯がない場合には、奥歯の後ろの歯肉を咬んで、炎症を起こすことがあるため、抜いた方が良いことがあります。
以上、抜くことになる親知らずの多くは「咬む」という本来の働きをせず、口の中で問題ばかり起こす場合が多いです。
親知らずを抜かなくてよい場合
完全に潜り込んでいるときはすぐには抜かないことも…
■痛みや腫れなどの問題を起こしていない場合
親知らずがあっても十分に汚れを管理できる場合や、親知らずの歯が骨や歯肉の中に潜り込んでいる時は、抜かなくても大丈夫なこともあります。
■腫れたことがあっても傾かないで正常に生えてきている場合
過去に何度か腫れたとしても、正常に生えてきている場合には、自分の奥歯として使えるようになることがあります。
■将来的に歯の土台に使用できる場合
「ブリッジ」は1本の歯がなくなっても両隣の歯と「橋」の様につなげることで咬み合わせを元に戻すこと
親知らずの手前の歯がダメになり抜いてしまっても土台として使用して、ブリッジにできることがあります。その他にも失われてしまった部分に歯を移植することができることがあります。などです。
親知らずがあるからといって全ての親知らずを抜いてしまうわけではありません。痛みや腫れを起こさない状態、他の歯に影響を与えない状態であれば、抜かずにそのままにして様子を見ることになります。
時間と共に抜くかどうかも変化する
親知らずを抜くか抜かないかの判断は時間の経過と共に少しづつ変化します。口の中の環境の変化で、親知らずは長い時間をかけて少しづつ動くこともあります。多くは20歳代~40歳代で問題になることが多いですが、70歳を過ぎて抜くことになったというケースもあります。痛みが出たら、早めに歯医者さんでのチェックを受けて、確認してもらうことが大切です。