最近、「冷え症」と「低体温症」は何が違うのですか?と質問を受けます。勘違いしやすいのですが、この二つは似ているようで違うもの。そこで今回は「冷え症」と「低体温」の違いについてお話します。

「冷え症」は末端、「低体温」は中枢

低体温と冷え性は同じ?

低体温と冷え性は同じ?

女性に多い「冷え症」。これは実際の暑さ寒さに関わらず、異常に冷えを感じてしまう状態のことと言えます。冬でも夏でも厚い靴下が欠かせない、手がかじかんで、ひどい場合はしもやけになってしまう、などといったものが典型的です。でも、これは実際は体の体温を測ってみると正常なことがほとんど。なぜなら、体温は、「深部体温」といって、体の中心の温度を測っているからです。冷え症の人が感じる辛さは手足などの末端の冷え。これは、色々な原因で、手足の血管が収縮したりすることで、血流が悪くなることを一因としておこります。

ところが、最近良く耳にする「低体温」というのは、体の中枢の深部体温の温度が低くなることを指しています。医学的な「低体温」の定義は、本来37度くらいである体の中の深部体温(内臓の温度)が、35度以下になってしまうこと。

ちなみに私たちがいつも測定している「体温」はわきの下、耳、などですが、これは「深部体温=内臓の温度」が体の表面(皮膚)に伝わっている温度を測っているので、若干低くなります。
ですから、本来の「低体温」は、深部体温35度以下、測定する体温(皮膚温)で言えばもっと低くなってしまうのですが、最近のメディアでは35度台くらいを大雑把に「低めの体温」という意味で「低体温」と呼んでいるようです。

冷え症の原因は?

冷え症は、本来なら熱を体の外に逃がさないようにするための、皮膚の血管が収縮する反応が長く続いてしまったり、筋肉が少なくてうまく熱が産生できないためにおこるといわれています。
また、体温を調節する司令塔は脳の中にあり、ストレスなどの影響も受けるといわれています。

低体温の原因は?

病的な低体温は、ぬれた衣服で動かないで冷たい地面に横たわっていることなどでおこります。例えばアルコールを飲んでいたり低血糖発作を起こしていた場合になりやすいのです。病的な意味での低体温は、もう自分で体温を上げることができないので、温かい毛布に全身をくるんで暖めるなどが必要になります。

しかし、「35度台、いつもやや低めの体温(皮膚温)」という意味での低体温は、例えば甲状腺機能低下症といった病気でも起こりますが、その他、運動不足、朝ごはんを食べない、ストレス、といった日常生活習慣でもおこりえます。

人間の体温は、一日の中で日内変動があり、一定のリズムを繰り返しています。体温は、下がるときに眠くなるといった睡眠との連動もありますので、できるだけ規則正しい生活習慣を保つようにしましょう。

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