アルコール性肝硬変は断然女性のほうがなりやすい!
同じ量でも女性のほうが肝臓を悪くしやすい!
最初の脂肪肝の時点では、お酒の量を控えるだけで元に戻ります。
肝硬変の状態を簡単に説明すると、「本来ならレバーのようにつるっとした肝臓がぼこぼこになっていかにも悪そうになっている状態」です。もちろん、見かけだけではなく機能も落ちているため、ひどくなるとお腹に水がたまる「腹水」の症状が出たり、みかんの食べ過ぎでもないのに全身が黄色くなる「黄疸」の症状が出たりします。
アルコールを1日平均120g(日本酒5合)を15年間続けた場合、1~2割の人が肝硬変になってしまいます。160gを20年間続けると、発生率は大体半分の確率にアップします。さらに女性は男性より肝硬変の発生率が高く、「積算飲酒量」(どれだけの量を何年飲んだかということ)が男性の約2/3で、飲酒期間も約10年短いうちに肝硬変がおこってしまったりするのです。
体重は同じでも女性のほうが酔いやすい
「同じ量のお酒を飲んだ場合、体重が軽い人のほうが酔いやすい」という説も聞いたことがあると思います。これは医学的にもホント。体重が軽い人ほど体の血液量も少なくなりますので、血中アルコール濃度は高くなります。一般的には女性のほうが男性より体重が軽いですから、「女性のほうが酔いやすい」ことになります。では、同じ体重の男性と女性は酔いやすさは一緒なのでしょうか。もちろん、アルコール分解酵素の量といったような個体差は除いてのお話です。
実はアルコールは骨や脂肪にはあまりいきません。アルコールの強さに関しては、脂肪はあまり役に立たないことになります。ということは、女性のほうが男性より脂肪が多いので、同じ体重だったら「男性より女性のほうが酔いやすい」ことになりますね。
月経前は酔いやすいってホント?
最後にもう一つ。エストロゲンという女性ホルモンは肝臓のアルコール代謝を遅くすることがしられています。そのため、エストロゲンが体内に多い月経前は、アルコールが長時間体内に残ってしまうため、酔いやすいということになるのです。ちなみに女性で30歳を過ぎてからだんだんお酒が飲めるようになる人や、閉経後にお酒に強くなる人がいるようですが、これは体内のエストロゲンが減ってきているからとも言われています。意外なお話ですよね。
男性と同じ量を飲んでいても、女性のほうが影響を受けやすいことは知っておいて下さいね。おすすめのアルコール摂取量は男性の半分から2/3位くらいです。
※参考文献 内科学(朝倉書店)
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