ひなかざりを出す時期

おひなさまは、お正月の七草が過ぎたら飾ってもよいと言われています。古い説では、2月の雨水(うすい・節分後の12日目)がよいとされる風習もあるので、地方ごとの習わしに従いましょう。よくわからないときは、人形専門店に聞いてみるといいですね。

一般的には立春(2月4日)ごろから1週間前ぐらいに飾る人が多いようです。あわててお節句前夜に飾るのは「一夜飾り」といって縁起が悪いとされるので避けましょう。お祝いものということで、大安や友引など、お日柄を選んで飾る家もあります。

おひなさまをしまう時期は、3月3日を過ぎたら早めに。お節句が終わってからいつまでも飾っておくのは、大事なおひなさまがほこりをかぶってしまうこともあり、女の子の婚期が遅れるという言い伝えがあります。ただし、4日に急いでしまわなくてはならないと言うことではありません。雨の日にしまうと、湿気が人形によくないこともありますから、ひな祭りが終わって、お天気のいい日にしまいましょう。
 

人形の並べ方

ひな人形はもともと親王(男びな)と内親王(女びな)だけでしたが、江戸時代中期から現在のような豪華な段飾りになったようです。段飾りは三段、五段、七段と、縁起の良い奇数にするという決まりがあります。

一般的な七段飾りの場合、最上段には、向って左にお内裏さま(天皇)、右におひなさま(皇后)を飾ります。京びなは左右が逆になります。お内裏さまとおひなさまの両わきにぼんぼり、間には桃の花の三方飾りを置きます。

二段目には内裏(天皇のお住まい)に使える三人官女。三段目はお囃子の演奏をする五人囃子で、向かって左から太鼓(たいこ)、大鼓(おおつつみ)、小鼓(こつづみ)、笛、謡(うたい)が並びます。四段目にはお内裏様を警護する、左大臣(ひげの老人)と右大臣(若者)。五段目には宮中で雑用をする仕丁(じちょう)。よく見るとその表情はみな違い、怒りじょうご、泣きじょうご、笑いじょうごの三人上戸(じょうご)とも言われています。その両脇には橘と桜の木が並びます。六、七段目には御所車や調度品を飾ります。
 

ひなかざりに添えられているひし餅

ひし餅のルーツは中国にあるそう。古代中国では上巳節(3月初期の巳の日に厄払いする行事)に、母子草(ははこぐさ)を入れたお餅を食べる風習があったそうです。これが日本に伝わったようですが、母子草を使うと、母と子をついて餅にすると嫌われ、かわりに邪気を祓う力があるとされる蓬(よもぎ)を用いるようになったそう。

緑色の蓬餅に、江戸時代に菱(子孫繁栄と長寿の力があるとされた)を入れた白い餅が、明治時代にくちなし(解毒作用があり、赤は魔除けの色)を入れた紅の餅が加わって三色となったようです。この三色はひなまつりの色として定着し、菜の花をあらわす黄色を加え、ひなあられにも使われています。

下から緑、白、ピンクの三層になっていますが、緑は草萌える大地、白は雪の純白、ピンクは桃の花とされているそう。春近い季節の景色をとらえた、風情の感じられる色合いになっているのですね。

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